2026年1月11日日曜日

日本はどこへ向かっているのか ――落語家が語る、この国の主権回復ロードマップ

 
架空の上方落語家

日本の組織はなぜロードマップが描けないのか

――そして究極のロードマップとしての「植民地からの脱却」

日本の組織は、目の前の課題処理や現場対応には強い一方で、「中長期の道筋」を描くことが驚くほど苦手です。企業経営でも、行政でも、そして政治・外交でも、この弱点は繰り返し露呈してきました。本稿では、まずロードマップとは何かを簡潔に整理し、日本人がそれを苦手とする理由を概観した上で、究極のロードマップとしての「日本の植民地的状況からの脱却」について考えてみたいと思います。

ロードマップとは何か

ロードマップとは、目標達成までの道筋を「いつ・誰が・何をするか」という時間軸で整理した進行計画表です。単なる計画書ではなく、最終ゴールとそこへ至るマイルストーンを可視化し、関係者間で共通認識を持ち、進捗を管理するための「地図」のようなものです。

重要なのは、ロードマップは不変の聖典ではなく、状況変化に応じて更新される前提の「思考の道具」だという点です。未来を正確に予測するためではなく、変化に耐えうる判断基準を持つために存在します。

日本人はなぜロードマップが苦手なのか

日本の組織文化では、合意形成を重視するあまり、無難で曖昧な計画に落ち着きがちです。また、最初から完璧な工程表を作ろうとするため、変更が許されず、結果として環境変化に対応できなくなります。現場の実行力は高いものの、長期的なビジョンを外部環境と結びつけて描く「戦略的思考」が弱いとも言えるでしょう。

さらに、不確実な未来に旗を立てること自体が「責任リスク」として忌避され、誰も明確なロードマップを言語化しようとしません。その結果、日本の多くの組織は「その場しのぎの最適化」を積み重ねながら、気づけば方向感覚を失っていくのです。

今の日本人に万人受けするトピックだとは思えないので(私は正しいと思っていますが)、架空の上方落語の師匠に説明してもらいましょう。これは、黒船来航から継続する日本の姿なのです。


究極のロードマップ――日本の植民地的状況からの脱却

さて皆さん、よう考えてみてくださいな。
日本がいま一番ロードマップ要るんはどこや思います?
会社経営でっか? AIの普及でっか?
ちゃいまんねん。そこやない。

ほんまに要るんはな、政治と外交。
もっと言うたら、「戦後日本が、どうやって主権を取り戻すか」という話でっせ。

ここで、はよ言うときまひょ。
このロードマップ、「独立宣言したれ!」とか、「アメリカと縁切ったれ!」いう話とちゃいます。そないなスローガン、大声で叫ぶんは、日本人いっちゃん得意や。で、いっちゃん失敗してきたやり方でもある。

要るんはな、

「従属してへん!」言うて目ぇ背けることやなくて、
「あ、わしら、ここは従属してますなあ」
と、ちゃんと直視して、それを交渉の材料に変えていくことなんですわ。
そのための、現実的な工程表――これが「ろーどまっぷ」でんねん。

まず大前提。ここ大事やから、よう聞いておくれやす。
最初から「独立」を目標に掲げたらあきまへん。
これが一番あかんとこです。

日本はな、長いこと「対等な同盟や言うてます」
口では言いながら、実際は「ほぼ全面依存」
いう、二枚舌で生きてきましたんや。

東京の空、誰が仕切ってます? 日本政府ちゃいます。
安全保障の最終決定権、どこにあります? 実質、アメリカですわ。

でもな、これは現実でんねん。
戦後処理の結果として、そうなっとるだけの話です。

問題はな、この現実を「そうですねん」と公に認めんと、
「うちは独立国家です」言うて、自分で自分をだましてきたことですわ。

ロードマップの第一歩はな、
「こうなりたい!」いう目標設定とちゃいます。
「いま、どうなってまんねん?」いう現状認識です。

まず、日本は主権に制限のある国や、
いうところから始めな、話は一歩も進みまへん。

次の段階にいきまひょ。

従属を、ちゃんと見えるようにして、言葉にする。
これが第1段階です。

安全保障の話で言うたら、
在日米軍が動くとき、日本政府に「それアカン」言う拒否権がない。
日米地位協定は、左右対称やなくて、片っぽに重たい。
有事のとき、最終的に誰が指揮するんか、これもはっきりしてる。

これをな、「同盟の現実」として、白書や政府文書にちゃんと書きなはれ、いう話です。
反米やないですよ。
交渉の土俵を整えるだけの話ですわ。

経済や制度も同じでっせ。
アメリカが制裁したら、はいはい言うて自動追随。
半導体、エネルギー、金融、為替。
「ここは日本だけでは決められまへん」
いう分野を、ずらっと並べて整理する。

これも感情論ちゃいます。
事実の確認です。

さて、ここまで来て、やっと交渉が始まります。
第2段階、従属を取引条件に変える、ですわ。

皆さん、ええですか。
従属いうんは、タダやないんです。
nothing is free、いうやつですわ。

日本に価値があるから、アメリカは日本を手放さへん。
在日米軍はな、日本守るためだけやおまへん。
アメリカの世界戦略にとって、えらい大事な拠点ですわ。

日本はな、土地、安定、地理的な位置。
これ、全部カードとして出してます。

ほな、その対価、もろて当たり前やないですか。

駐留経費、どないなっとるんか、もっと透明に。
基地使うときの事前協議権、もうちょい広げまひょ。
日本の周り以外で使うなら、条件つけまひょ。在日米軍基地を「世界中どこでも無料で使える踏み台」にしない、という最低限の主権行使ですワ。

これは「同盟壊す」話やない。
同盟を現実にするための交渉です。

中国の話も同じですわ。
米中対立の最前線に立たされて、日本が背負うリスク。
これ、ちゃんと数字で出して、
「これだけのコストかかってまっせ」
言うて、見返り要求せなあきまへん。

エネルギーの保証、制裁時の国内補填、
技術流出防止の共同責任。
全部、取引条件に落とし込むんです。

第3段階

主権はな、一気に戻りまへん。
少しずつ、機能ごとに回復していくもんです。

司法、情報、外交。
このへんから、ちょびっとずつ裁量を取り戻す。
「同盟強化」いう看板掲げて進めてもええ。
大事なんは、中身ですわ。

ほんでな、一番しんどいんが第4段階
国内への説明です。

交渉にはリスクがある。
アメリカは圧力かけてくる。
一時的に経済的にしんどなるかもしれん。

でもな、
何も考えんと従い続けて、
暴走するアメリカ、中国、ロシア、
そんな巨大国家に巻き込まれるリスクと比べて、
どっちが現実的か。
それを国民に問いかけなあきまへん。

最後に、これだけは覚えといてください。
独立いうんはな、宣言するもんやない。
交渉を積み重ねた結果、
「あれ、気ぃついたら、だいぶ独立に近づいてまんな」
いうもんです。

アメリカがほんまに尊重するんは、
感情で叫ぶ自立論者やない。
現実をわかった上で、話ができる交渉相手です。

坂口安吾が『堕落論』で言うた通りですわ。
「対等な同盟」いう幻想、いっぺん捨てなはれ。
属国である自分を、ちゃんと直視しなはれ。

いっぺん、精神的に堕ちる。
そっから、現実の交渉に立ち上がる。

それがな、
ほんまの意味での「究極のロードマップ」ちゅうもんでっせ。

――どうでっか、皆さん。
拍手する前に、ちょっと胸に手ぇ当てて、考えておくんなはれ。

おあとがよろしいようで

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