2014年2月26日水曜日

チャーリーと古寺巡礼

六条町の秋篠川 ~ 右手が薬師寺

秋篠川は、奈良市内の大渕池を源流に大和郡山市へと流れ、佐保川に合流します。 奈良時代に、平城京への物資の輸送路として人工的に造られた河川です。 

日本の治水の歴史は弥生時代に遡るそうです。 律令国家では治水は非常に重要視されていました。 「公(public)」の概念がしっかりしていたのですね。
 








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2014年2月19日水曜日

想定外


昨日は東名が渋滞し、通常7時間で行けるところを11時間半もかかりました。 海老名SAの手前で停まってしまい2時間近く1ミリも動きませんでした。

車の中で、21年前の事件を思い出していました。

21年前の1993年2月26日、ニューヨークの世界貿易センタービル(WTC)の地下駐車場で爆弾が爆発する事件が起こりました。犯行はアルカーイダが関与したとされ、6名の犠牲者がでました。 爆発はランチタイムに起こったのですが、私はクライアントとのミーティングがあったために、事件当日の朝、このビルの地下街にいたのです。

当時、バブル景気が崩壊していたのですが、まだ余韻が残っていて、日系の銀行がこのツインタワーに20数行ありました。事件中、事件後、様々なドラマがあったのですが、事件前から日本企業のマネジメントスタイルに批判的だった私は、以下のようなことをセミナーで話をしたり、雑誌に投稿し批判を買っていました。


(前略)

目に見えない日常業務でのプレッシャーがこの爆破事件であらわになり、XXX銀行の日本人は冷静に業務再開のためのプランを実行する以前に半狂乱になってしまった。銀行幹部は大きな声をあげ、部下を怒鳴りつける。精神主義で現場をまとめようとしてもそれは意味をなさない。危機的状況をマネージするには、臨機応変にその場の状況に対応する現場の指導力が最重要である。しかし、ここでの指揮官たる対策本部長席では100人以上の人に対して、現状の把握や、方針、戦略を明らかにし、それぞれの役わり分担を徹底するといった試みはなく、ひたすら机の上の電話で日本からの指示を仰いでいた。行員の半数ほどは日本人ではない。彼等は所在なく、いつ帰れるとも分からず感情的なマネージメントに当惑している。

(中略)

日本人はトップに立つ人が協調性を唱え、組織に対する自己のない忠誠心を行動パターンの基準とするように要求する。しかし、アメリカ人はトップが非常時に協調性を要求することを理解できない。パニックにあって、日本人のトップがこのことを理解していない場合、悲劇は起こる。アメリカ人の行員たちはコンセンサスを求めているのではなく、支店長や幹部らの「INITIATIVE(イニシアチブ)」と「DETERMINATION(決断力)」を待っているのだ。いくら経験のない若いアメリカ人でも、東京との電話をよりどころとしている日本人幹部の姿は、全く理解に苦しみ、頼りない存在にうつったことだろう。彼等は、パニックにおいても状況を適確に把握し、取るべきアクション・プランをたて、優先順位をつけ、現有のリソースで最大限のリカバリーをはかるリーダーシップを会社幹部に期待している。みんなで話し合って、さらに現場の状況が見えない東京の指示を仰いでいる日本人幹部には大いに失望しただろう。

(後略)

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2014年2月15日土曜日

季節はずれのクリスマスツリー



いくたびも雪の深さを尋ねけり

死を間近にした子規の内面を現していますね。 
上野じゃなくて、武蔵野の雪でした。

病中雪四句

雪ふるよ障子の穴を見てあれば
いくたびも雪の深さを尋ねけり
雪の家に寝て居ると思ふばかりにて
障子明けよ上野の雪を一目見ん

1896年

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2014年2月13日木曜日

初めて買ったギター


45年前、私が生まれて初めて買ったギターです。

何十年ものあいだ、実家で埃まみれなっていたものです。 昨日、タオルで拭いて新しい弦を張りました。 

このギターを買ったころ、ギターの選択肢は殆どありませんでした。 近所の楽器屋には3~4本のクラシックギターと数本のフォークギターがあっただけです。 私はベンチャーズ、タイガース、ビートルズ などの音楽を聴いていたのですが、「ギターと言えば『禁じられた遊び』から」という先入観があり、迷わずにクラシックギターを購入しました。 

ドレミファの後は『禁じられた遊び』です。 同時に新興音楽出版社の『ザ・ビートルズ 80』という楽譜を買ってきました。 ギターコードが書いてあるだけで、苦労して図のように押さえても、ビートルズの音とは似ても似つかない。 

当時は、タブ譜(通常の楽譜をギター用にアレンジしたもので、楽譜が読めない人でも簡単にギター上で理解できるようになっているもの)なんてないし、どの指でどの弦を押さえるかさえ分からなかったのです。 このギターを弾いているうちは『禁じられた遊び』以外の曲を弾けるようにはならなかったように思います。 

今であれば、お茶ノ水の楽器屋街に行けば、あらゆる種類のギターが展示されていて、どれを買えばいいのか迷ってしまいます。 タブ譜も充実しているし、教則本はDVDで映像付きです。YouTubeでは世界中の教えたい人たちが無料でレッスンしてくれます。 

若いころ、豊かさとは選択肢が多いことだと思っていました。 

ようやく分かってきたのですが、どれだけ選択肢が多くても豊かとは言えないのです。 選択肢がありすぎて、自分で工夫したり考えることを省略しちゃいます。 これ以上社会に選択肢の多様化を求めてどうするんでしょう。 日本より海外のほうが選択肢が多いからグローバル人材を目指すのですか? 際限のない物質的な豊かさを追求してジタバタするよりも、日々の精神の充実を感じるほうが、豊かな人生だと思います。 

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2014年2月11日火曜日

「建国記念の日」と「紀元節」

2014年は皇紀2674年

「建国記念日」と「建国記念の日」。 こんなところにも、今の日本の偽善性を垣間見る思いがします。 「建国記念日」が反対され法令が国会を通過しなかったため、「建国記念の日」として法令が定められました。1966年のことです。

丁寧で相手との距離を考えた言葉を使うと、人は上品な心持ちになります。 そして、相手との距離感を勘違いし下品な発言をした場合、心持ちは下等になります。

日本人は、日本語という国語の枠の中で生活し日々考えているわけで、質の高い日本語をいっぱい収集して引出しにしまっておくと生活が豊かになるでしょう。

「の」があるかないか、、、国家との距離感が随分と違いますね。


『紀元節』 夏目漱石 (全文) 

南向きの部屋であった。明るい方を背中にした三十人ばかりの小供が黒い頭を揃えて、塗板を眺めていると、廊下から先生が這入って来た。先生は背の低い、眼の大きい、瘠せた男で、顎から頬へ掛けて、髯が爺汚く生えかかっていた。そうしてそのざらざらした顎の触る着物の襟が薄黒く垢附いて見えた。この着物と、この髯の不精に延びるのと、それから、かつて小言を云った事がないのとで、先生はみなから馬鹿にされていた。

先生はやがて、白墨を取って、黒板に記元節と大きく書いた。小供はみんな黒い頭を机の上に押しつけるようにして、作文を書き出した。先生は低い背を伸ばして、一同を見廻していたが、やがて廊下伝いに部屋を出て行った。

すると、後から三番目の机の中ほどにいた小供が、席を立って先生の洋卓テーブルの傍へ来て、先生の使った白墨を取って、塗板に書いてある記元節の記の字へ棒を引いて、その傍へ新しく紀と肉太に書いた。ほかの小供は笑いもせずに驚いて見ていた。さきの小供が席へ帰ってしばらく立つと、先生も部屋へ帰って来た。そうして塗板に気がついた。

「誰か記を紀と直したようだが、記と書いても好いんですよ」と云ってまた一同を見廻した。一同は黙っていた。

記を紀と直したものは自分である。明治四十二年の今日でも、それを思い出すと下等な心持がしてならない。そうして、あれが爺むさい福田先生でなくって、みんなの怖がっていた校長先生であればよかったと思わない事はない(
1909年

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2014年2月8日土曜日

釜玉うどん


生きることとは? 幸福とは? 自由とは? 国家とは? もしかしたら、プーチン大統領がソチで言いたかったこと? トルストイの『戦争と平和』が頭の中にイメージとしてあったのかも知れません。 つまり、「伝統ある国家」としてのロシアの姿を訴えたかった? いい開会式でしたね。

ソチ冬季オリンピックの開会式を見たあと、友人からもらった香川のうどんで「釜玉うどん」を作ってみました。 あらかじめどんぶりに卵を入れ、アツアツの麺を卵の入ったどんぶりに取り、醤油とネギと生姜を入れます。

ゆで時間15分、ツルツルシコシコの雪見うどん、美味かった! 

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2014年2月6日木曜日

英語教育の改革は教育の改革

古代文化の香り豊かな郷 明日香村

私は日本で生まれて日本で育ちました。これは何を意味するか?
私の言語は日本語だということです。


言語は「道具」としての役割はありますが、それが全てではありません。 説得力のあるメッセージ(言語や思想)の構築が目的なのです。 言語は、自分が育った国の文化そのものなのです


自分の文化(生き方)の上にたたない「道具」、つまり、「手段」としての言語は、その場だけの意思疎通の「道具」の域を出ないのです。 自国の文化を基礎とした上で、「道具」としての英語教育の改革を考えてもらいたいですね。

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英語教育の改革、三木谷氏らが具体的内容を検討
文部科学省は4日、小中高の新たな英語教育について検討を行う有識者会議を設置した。

同省が昨年12月に打ち出した英語教育の改革プランについて、有識者会議で具体的な内容を検討し、今年秋頃までにとりまとめる。

有識者会議のメンバーは、英語を社内の公用語とする楽天の三木谷浩史会長兼社長ら11人。文科省は小5から英語を教科にする方針で、有識者会議では、教科化された場合の内容や教材、指導体制のほか、中高の教育内容などについても検討する。
201425  読売新聞)
 

2014年2月4日火曜日

温故知新 ~ ミュージックライフ


実家の物置を整理していたら、むかし夢中になっていた雑誌が出てきました。

1971年のレッド・ツェッペリンの音は今聞いても昔のままですが、私の耳は少しは進歩したかもしれません。 彼らとの距離が数ミリか数センチ縮まった感じがして嬉しく思います。 40年かかりましたが、、、。  

昔の事柄をもう一度調べたり考えたりして、新たな道理や知識を見い出し自分のものとすることって、所謂、「温故知新」なのですが、新たな知識を自分のものとしないまでも自分の成長を確認するにはいいですね。 

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