2022年6月6日月曜日

不完全性の克服

文科省のホームページに書かれていることは大抵が間違いじゃない。しかし、具体性に欠けるために実行されない可能性が高いと思います。「グローバル化と教育に関して議論していただきたい論点例」を例に説明しましょう。

整理(3)の最後に書かれていることが一番重要なのですが、論点を掘り下げて議論の幅を拡げ深化させるファシリテーションが教育現場では出来ないでしょう。概念がしっかりしていて抽象化と具体化を行ったり来たりできるファシリテーター(教師)がいないからです。これは企業内での教育にも同じことが言えます。重箱の隅をつつく議論は得意なのですが。。

「また、グローバル化の中で、自分とは異なる文化や歴史に立脚する人々と共存していくためには、自らの国や地域の伝統や文化についての理解を深め、尊重する態度を身に付けることが重要になっている」(文科省)。

グローバル化と教育に関して議論していただきたい論点例:文部科学省 (mext.go.jp)

MEXT.GO.JP グローバル化と教育に関して議論していただきたい論点例:文部科学省

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人間の精神の根っこには自分の所属している国(家)の風土と歴史があります。人間が動物と違うのは言語能力です。その国の国語とそれにもとづく文化を大事とするのが人間の本質です。言語(国語)を中心とする国柄がその国の公的なもの(公共心)に大いに影響します。だとすると、「自らの国や地域の伝統や文化についての理解を深め、尊重する態度を身に付ける」はもっと具体的に議論すべきでしょう。

日本の場合、文化(言語)は弥生時代から数えると3000年ほどの時間をかけて形成されてきたものです。グローバル化グローバル化!と声高に叫んでも簡単に転換できるものではありません。国家がぶれると戦争になる。大国が余裕を無くした状況は非常に危険です。国家を動かす人間なんて不完全性の極みだからです。

私の孫たちの国語は英語です。将来的にどうやって人間の不完全性を克服するのでしょう?