2016年12月31日土曜日

日本の国民病 ~ アスペルガー

井の頭公園のニワトリ

今年も最後の一日となりました

年末になると慌ただしいのが世間の常識なのですが、私は何ら普段と変わることがありません。「光陰矢の如し」とは年々強く感じるのですが、(自分にとっての)グッド・ニュース は自分がまだ運転席で運転手をやっているということでしょう。 今年を振り返ってみると、まさにデジャブです。 20~30年前に議論していたことを今年は繰り返しディスカッションしていたように思います。

日本人の3つの問題

日本人には「社会性」・「コミュニケーション」・「独善性(または、こだわり)」の3つの問題があると思います。 大人の発達障害の場合(アスペルガー症候群と言ったほうがいいか?)、社会性の問題は、所謂、空気が読めないことと考えてよい。 大人になっても他者と一緒にいることに慣れていない。 つまり、大人になりきっていないのです。 コミュニケーションは外国語でのコミュニケーションではありません。 母国語の日本語でさえ相手が言っていることを正しく理解する受信力と、自分の思っていることを相手に伝える発信力に問題があることです。 そして、独善性ですが、自分の安心できるルールや環境を強く求める傾向が大人になっても続くことです。 生活や働く上で支障が出るほど自分だけのルールにこだわってしまう人が多くいます。 想像力が貧困で相手の立場を考えられず、これも、幼児性が強いと言わざるを得ないのです。

社会人になっても継続する問題

これら3つの問題は、子どものころからの延長線上にあります。 日本の教育制度に原因があるのかも知れません。 もしかしたら、家庭環境や友人関係に発達の阻害要因がある可能性もあります。 そのまま就職して企業で働きだすと、3つの問題が徐々に矯正されるのではなく、更に増幅される場合が多くあるということです。 それは、閉鎖性の高い日本の企業の中で、こういった問題を認識する日本人が少ないからです(茹でガエル状態)。

どうすればいいか?

先ずは問題を認識し、自分で考える習慣をつけることです。 主体的に能動的に行動する。 自分の人生だから。

Happy New Year ! 

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2016年12月28日水曜日

真珠湾のこと ~ 過去のブログより

ハル回顧録 (2001年 中公文庫)

近隣諸国の歴史教科書は、多くの嘘や偏向した知識とで書かれています。 アメリカの教科書だって、アメリカの都合のいいように書かれています。 それは仕方がないことです。 自分の国に誇りが持てないような教育を自国民にすることは、義務教育の目指すところではないからです。 

私が一番の問題と思うのは、日本人はもっと自国の歴史を史実に基づいて直視する眼を持つ必要があることです。 正しい歴史認識は日本人に一番必要なのです。 晴らせる汚名は晴らしておいたほうがいいのです。

ニューヨークに住んでいると、12月になると必ず話題になるのが真珠湾奇襲攻撃です。 そう、「Remember Pearl Harbor」です。 日本人は騙し討ちをする(Sneak Attack)卑怯者だと思われているのです。

「真珠湾が奇襲だったのか?」、「日本は宣戦布告なしで真珠湾を攻撃する計画をもっていたのか?」。 アメリカ人との酒席で話題になった場合、ユーモアを交えてさらりとかわせないといけません。でないと、アメリカ人組織で本当のマネジメントチームの一員になれないからです。

相手を説得する必要はありません。ロジカルに自分の意見を主張できればいいのです。 そのためには、自国の歴史を出来る限り客観的に知っておく必要があります。 様々な意見があるのは当然で、「色んな立場の見方はある」でいいのです。「It is controversial、、、」(どちらとも言えない、議論の余地があるという意味です)と話を切り出せばいい。 この「controversial」はマジックワードです。

真珠湾奇襲攻撃に関しては、必ず読んでおいたほうがいい書物があります。 ルーズベルト大統領の国務長官であったコーデル・ハルの回顧録です。

アメリカの日本に対する最後通牒だと言われているハル・ノートを知っている人は多くても、ハル長官が当時を振り返って何を言っているか理解している日本人はほとんどいないと思います。 しかし、これは日本人全員が理解しておくべきことです。 なぜならば、「日本人は奇襲を計画した卑怯な民族だ」という汚名を着せられているかも知れないからです。 着せられた汚名は晴らして、名誉は挽回しておかなければいけません。

ハル長官は自伝の中で、「ワシントンの日本大使館よりも先に日本からの野村駐米大使宛の長文の暗号電文を解読して内容を理解していた」と書いています。 日本大使館でのタイプが間に合わなかったら、日本政府が野村大使に指示した時間に自分会見し、電文の内容を口頭でもいいから伝えるべきだったと述懐しています。 当事者であるハル長官の言によると、日本は宣戦布告なしに奇襲を計画していたのではないことが分かります。

これだけで十分なのです。知っているのと知らないのでは大きな差を生むのです。

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2016年12月21日水曜日

和して同ぜず

改札へ続く列 @ 夜のJR三鷹駅

 君子和而不同,小人同而不和
(君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず)

先が読めない2017年になろうとしています。

孔子さまのいう「和して同ぜず」ということが益々重要度を増してくるのでしょう。 しかし、困ったことにそれが日本人の最大の弱点であることに気づいている人は少ないような気がします。

「和する」というのは、人と交わることです。ベタベタすることでなく互いに協力するという事です。「同ぜず」というのは自律しているということです。 つまり、個人のアイデンティティ(個人の規範)が明確になっていることです。 この両方がなくては、個性を育てることはできないと言ったのは小林秀雄です。

小林秀雄によると、「和して社会的なものを持たなければ個性的なものは生まれない。 他人に心から協力しようとする気の無い人は、自分に対してだって協力ができないから、自己統一の力がないことになる。だから、利己主義という自己防衛の形になって現れてしまう」ということです。

世界中で、他者への信頼がなくなり、無私な行動が見うけられなくなった。 物事の本質が見えていないからでしょう。 一億総活躍(Dynamic Engagement of All Citizens)社会の中で自律したキャリアを考えることは賛成です。だが、大前提となる「和して同ぜず」は中高年になってからでは手遅れだと思います。

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2016年12月17日土曜日

キャリアとは?


キャリアとは、自己発達(成長)の中で、報酬を得る職業と、人生の他の出来事や役割をつないだものです。 報酬を得る職業はキャリアの中心となるわけですが、報酬を伴わない日々の生活や社会貢献などもキャリアに含まれるのです。 キャリアとは、その人の人生だと言えます。

学校と社会にはギャップがあります。 自分が入社した会社と世の中にもギャップがあるかもしれない。 日本の社会はキリスト教やイスラム教などの宗教が絶対的規範である世界観とは全く異なるかも知れません。

要するに、キャリアに対して責任を負うのは、政府でも学校でもなく、自分であるということです。

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2016年12月15日木曜日

チャーリーのキャリア・カウンセリング

今朝の夜明けは新東名浜松SA

私は飼い主として、または、目上の人として、チャーリーが自分自身を理解するよう支援する責任があります。 

日本の多くの学生さんや社会人と違って、チャーリーは自分が何が得意興味の対象は何か自分の大事なものは何か自分はいまどんな状況に置かれているのかなどを理解し、覚悟の上でイタズラをしているので、チャーリーに対するキャリア・カウンセリングは簡単です。 叱りつけるか、イタズラをしたら3秒以内にお尻をバシッです。

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2016年12月14日水曜日

日本教の社会学


【第1部】 日本社会の戦前、戦後
第1章 戦後日本は民主主義国家ではない
第2章 戦前日本は軍国主義国家ではない
【第2部】 神学としての日本教
第3章 宗教へのコメント
第4章 日本教の教義
第5章 日本教の救済儀礼
第6章 日本教における神議論
第7章 日本教ファンダメンタリズム
【第3部】現代日本社会の成立と日本教の倫理
第8章 日本資本主義の精神
第9章 日本資本主義の基盤―崎門の学

1981年の本が復刻されました。 1990年代、在米日本企業の人たちと話をするときに、かなり多くを引用させてもらいました。 特に、第8章の「日本資本主義の精神」は、海外で仕事をする日本人にとって必読だと思います。 契約に関する考え方は、欧米流と日本型の精神の違いを頭に入れておかないと、現地社員との間に大きな誤解を生むことになります。







2016年12月4日日曜日

働き方改革 ~ 仕事とは?

学生時代の音楽仲間が退職し赤坂にワインバーを開きました

「仕事とは?」と聞かれた場合、色んな意見があると思います。 社会や会社のきまり(規範)に従うことだという人、お金のために働くんだと答える方、社会的信用の獲得のため、自己成長のために働くんだ、、、それぞれウェイトが違うし、世代によっても国柄によっても異なるのが普通だと思います。

仕事観は人生観にもつながります、すなわち、どんな仕事をするかって、その人の人生そのものだからです。 ますます高齢化する日本の社会では、自分の属する組織の鎧を外した時のことを考える必要があります。 個人があらわになった時の自分には何があるかを、月給があるうち、仕事仲間がいるうちに考え始めるのがうまいやりかただと思います。

これらは、今の日本が直面する大きな問題だと思います。 働き方改革の議論が盛んなようですが、
何が理想で何が現実的なのかは人それぞれ、政府が決めることじゃないでしょう。

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