2025年8月21日木曜日

正統性なきリーダーと平和ボケ国家

 

アメリカのトランプ大統領は「プーチンとゼレンスキーを直接会わせれば和平は近い」と豪語しています。しかし現実はそんなに甘くはありません。プーチンはゼレンスキーの正統性そのものを認めていないからです。つまり、交渉のテーブルにすら座れない関係なのです。

一方で、欧州の首脳たちはよく分かっています。彼らが真に望んでいるのは「一度きりの和平」ではなく「戦争を繰り返させない仕組み」です。マクロンが「プーチンは捕食者」と断じたのは象徴的でしょう。捕食者に手を差し出せば、翌日にはまた噛みつかれる。だからこそ欧州は、米国の後ろ盾を得ながら、有志連合による抑止体制や安全保障の保証に力を注いでいるのです。

要するに欧州が欲しているのは「言葉の平和」ではなく「力の平和」です。会談や曖昧な祈りでは戦争は止まらない。その現実を欧州は直視しています。

さて、この「正統性」の話になると、日本の姿が否応なく思い浮かびます。今の石破総理に総理としての資質も品格も正統性もないのは、冷静に見れば明らかではないでしょうか。ところが不思議なことに、国民の少なくとも3割は「総理続投」を望んでいる。世論調査を眺めるたびに、私は首をかしげざるを得ません。

なぜ高齢者は石破さんを支持するのでしょうか。単に「変化を望まない」からなのか。あるいは「次がもっと悪いかもしれない」という漠然とした不安からなのか。私自身も高齢者ですが、どうひっくり返っても石破さんはリーダーの器ではないとしか思えません。国民の側から見ても正統性を欠いているはずなのに、それでも支持が3割――。これが日本の現実です。

欧州のリーダーたちは、和平交渉であれ安全保障であれ、「誰に正統性があるのか」を徹底的に吟味します。だからこそ日本の首相の存在は国際政治で軽く扱われるのです。正統性を持たないリーダーが国内で一定の支持を集めているという事実こそ、日本が国際社会で信用されない最大の理由ではないでしょうか。
    
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