ネットで面白い記事を見つけました。
「日本人は何秒まで沈黙に耐えられる?」――英会話学校が発信した、なんともユニークなテーマです。
Preplyというオンライン英会話サービスが世界 21 か国を対象に調査したところ、日本人は 7.8 秒 も沈黙を許容できるという結果が出たそうです。
世界の平均が 6.8 秒ですから、意外にも“沈黙耐久レース”ではかなりの上位に食い込みます。 しかし、私がアメリカのコンサルティング会社で経験した沈黙の世界は、もっと過酷なものでした。あちらの許容時間は、なんと 約 3 秒。3 秒沈黙すれば、「議論についていけてない?」と判断されても仕方がありません。
1、2、3……はいアウト。
油断していると、沈黙は「無能」のラベルを貼るストップウォッチのように働きます。もちろん、これは会議だけではありません。カジュアルな会話でも同じです。バーで雑談している最中でさえ、アメリカ人はあなたの“間”を査定しています。
油断していると、沈黙は「無能」のラベルを貼るストップウォッチのように働きます。もちろん、これは会議だけではありません。カジュアルな会話でも同じです。バーで雑談している最中でさえ、アメリカ人はあなたの“間”を査定しています。
そこには、「常に考えているか」「問題意識があるか」「当事者意識は?」という、米国社会特有の価値観が透けて見えます。つまり、沈黙というのは単なる無音ではなく、“思考の密度が試される時間” なのです。
日本文化では、沈黙は
ところが、アメリカ人にしてみれば、沈黙=通信障害。“Limbo”――宙ぶらりんで物事が決定せず、保留状態のこと。Wi-Fi が落ちたときと同じ顔をしてこちらを見てきます。
文化の違いとは、こういう微細な “間への態度” に最もよく表れます。
日本人は沈黙に強い? でもその意味はちょっと違う
調査によれば、日本人は 7〜8 秒の沈黙でも平気。これは決して「何も考えていない」のではなく、むしろ逆です。日本文化では、沈黙は
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空気を読むための静かな余白
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相手への配慮を整える「間」
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コミュニケーションの緩衝材
として働きます。
会議で沈黙したからといって「あいつ、無能だな」とは思われません。思われるとすれば、「あいつ、ちゃんと考えてるな」「慎重なんだな」 のほうでしょう。ところが、アメリカ人にしてみれば、沈黙=通信障害。“Limbo”――宙ぶらりんで物事が決定せず、保留状態のこと。Wi-Fi が落ちたときと同じ顔をしてこちらを見てきます。
文化の違いとは、こういう微細な “間への態度” に最もよく表れます。
日本でも“沈黙への耐性”には地域差がある?
日本にも地域差があります。とくに関西では沈黙の耐性は低く、対話のテンポが速い。
さらに、“正しい間” が要求される。
大阪のおばちゃんの会話のグルーブ感は、ファンクミュージックのゴッドファーザーであるジェームス・ブラウンのグルーブ感です。
決してアメリカ南部のカントリーウエスタンのリズムではない。
大阪の商店街で育った子供は、近所を徘徊するだけで自然と高度なコミュニケーション技術が身につくのですから、驚くべきことです。
ソーシャライズという言葉が示すもの
そもそも日本では “ソーシャライズ” という発想が希薄です。ビジネスの場で必要最低限のやり取りができればOKという文化。
ところが英語圏では、ソーシャライズ(人間関係の社会的潤滑油)は
信用形成の入口 にあたる大事な行為です。
関係構築は雑談から。
その雑談は “沈黙” を許容しないスピーディなもの。
これが、海外で日本人が最初に戸惑うポイントでしょう。
「沈黙」は何を語っているのか?
沈黙の許容範囲の違いは、単なる秒数の問題ではありません。
それはその社会が
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どんな速度で思考し
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どんなリズムで信頼を築き
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どんな価値を大切にしているか
という 文化の深層心理 を映し出しています。
ブラジルは 5.5 秒で気まずさを感じる。アメリカのコンサル会社では 3 秒で沈黙に耐えられない。
日本は 7〜8 秒静かでも平気。
この違いを知っておくだけで、海外での誤解やトラブルは格段に減ります。
さらに言えば、大阪のおばちゃんレベルのグルーブ感が世界でも十分通じることがわかり、ちょっと誇らしい気持ちにもなります。
維新の会の吉村さんが大阪を強調するなら、身を切る改革よりも“大阪のおばちゃんのグルーブ感”ですよ!
沈黙は「空気」ではなく「文化」である
沈黙は、単なる無音ではありません。それは文化がつくるリズムであり、会話の温度であり、人間関係の距離感そのものです。
そして、自分の “沈黙の秒数” を自覚することは、異文化コミュニケーションの第一歩であり、仕事でも雑談でも信頼形成でも、思った以上に重要な要素です。
沈黙が 3 秒の国で働くなら、頭の中に常に 小さな司会者 を飼っておく必要があります。大リーグのピッチ・クロックのような感覚です。
とにかく、次の言葉を準備し続ける。
アメリカでクビにならずに働くとは、そういうことなのです。
そして日本に帰れば、7〜8 秒の静寂が「落ち着くなぁ」と感じるかもしれません。
沈黙の国境線をまたぐたびに、自分の内部に別の時計が動き出す――
そんな感覚すら覚えるかもしれません。
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そんな感覚すら覚えるかもしれません。
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