井の頭通りのアジサイ(撮影:三鷹の隠居)
リトマス試験紙と紫陽花は、どちらもpH(酸性・アルカリ性)によって色が変わるという共通点があります。その色の変化はリトマス試験紙と紫陽花では逆です。リトマス試験紙が酸性で赤、アルカリ性で青に変わるのに対し、紫陽花は土壌が酸性だと青く、アルカリ性だとピンクや赤色に変化します。
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リトマス試験紙としての政治日本政治の混乱は、一見ただの派閥争いに見えます。しかし、私はこれを“リトマス試験紙”と考えています。国民も政治家も、自らの思想を持っているかどうかが試されているのです。
昭和の15年戦争に至った原因を振り返ると、その大きな責任は政党政治家にありました。党内や党派間の泥仕合が続き、その延長線上で国家そのものが誤った方向へと進んでしまったのです。この本質は今もなお変わっていないように見えます。国民もまた、その構図に無自覚でいる人が多いのではないでしょうか。
石破茂という総理大臣の出現や、繰り返される政治の混乱、そして自民党総裁選の行方は、その点を改めて突きつけています。これらは単なる政局や権力闘争ではなく、右側の人にとっても左側の人にとっても、自らの思想や信念があるのかどうかを映し出す「リトマス試験紙」のような役割を果たしているのです。
自民党はこれまで「戦後レジームの守り番(護衛)」としての役割を担ってきました。しかし、本当に戦後レジームからの脱却を目指すなら、自民党自身がその問いにどう答えるのかこそが試されるべきでしょう。思想なき政治は、数字や派閥力学に翻弄される似非民主主義に堕してしまいます。
日本にも賢人は必ず存在すると信じたい。ただし、今の政治構造の中ではそのような人物は表に出にくく、隠れたままです。思想のない政治家が目立てば目立つほど、賢人はますます埋もれてしまいます。
石破茂の登場や総裁選の混乱は、政治家や国民に「思想があるのかないのか」を突きつけるリトマス試験紙です。その答え次第で、日本の民主主義が形骸化の道をたどるのか、それとも次の段階へ進むのかが決まるのではないでしょうか。
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