2025年9月16日火曜日

日本への警鐘 ― アメリカの生活格差と移民問題から学ぶこと

 
ロサンゼルス中心部の路上に置かれたホームレスのテントや所有物
CNN/FREDERIC J. BROWN/AFP/Getty Images
  
最近のニュースで、ニューヨークやロサンゼルスなどの都市部で、食品や生活必需品の価格が急騰していることが報じられました。卵12個が10ドルを超えるスーパーもあり、米国の一般家庭の生活コストは想像以上に高くなっています。給料が高いとはいえ、インフレや医療費、住宅費の高騰を考えると、生活の余裕は限られています。多くの人がローンや家賃、保険料に追われ、ギリギリの生活を強いられています。

私自身、50歳を少し過ぎた頃、ニューヨークの暮らしを引き払って帰国しました。会社組織を離れ、起業して数年経ってからです。帰国を決めた最大の理由は、アメリカの生活費や医療費、社会保障の状況、そして自分の年齢を考えた場合、資金が潤沢でなければ長期的にやっていけないと判断したからです。決断が早すぎたとは思っていません。

アメリカは広大な国であり、貧富の差は非常に大きい。富める者はさらに裕福になり、貧困層は増え続けています。不法移民の増加や犯罪率の上昇、路上生活者の増加も深刻です。麻薬の問題もあります。近年では合成オピオイドの一種であるフェンタニルの過剰摂取による死亡者が急増しており、深刻な社会問題となっています。本来は医療用の強力な鎮痛剤ですが、違法に海外から流入するフェンタニルが危機を引き起こしています。
   
アメリカというのは、もともとは移民の国であり、努力して合法的に来た人々が国を発展させてきましたが、近年は不法移民が増え、コミュニティを閉じたまま自国の文化圏を維持する例も少なくありません。その結果、かつての「United States」とは異なる、格差と分断が深まった社会が形成されています。

日本も例外ではありません。物価は上昇し、貧困率もゆるやかに上昇しています。移民(不法・合法)も急激に増加しています。日本は自己主張が苦手で、異文化とのコミュニケーションも不得手です。社会全体を統合するリーダーシップも弱く、もし移民がこのまま増え続ければ、アメリカとは違った意味で収拾のつかない社会に変貌する可能性があります。今のうちから制度や社会の仕組みを見直し、異文化を統合する力を育てることが必要です。

アメリカの現状から学ぶべきことは多くあります。生活の厳しさ、格差の拡大、社会の分断、そして移民政策の影響。私自身の体験も含め、警鐘は鳴らし続けなければならない。未来を少しでも健全に保つためには、現状を正確に見据え、早めに対策を講じることが欠かせません。政治家先生は全くあてにはなりませんから。 
  
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