2011年2月8日火曜日

リーダーの視点

豊穣の里 ~ 御宿海岸

日本のニュースは何と言ったらいいか、、、。今更ですが、ニュースの優先順位がどこにあるのか理解に苦しみます。 エジプト騒乱に関するニュースより、大相撲のことやプロ野球の新人投手のことのほうが大きく取り上げられます。

欧米諸国が戦々恐々としているのは、「エジプトがイラン革命のようになるのではないか」ということです。 1979年2月のイラン革命は、冷戦の対立構造の中、親米でもなく親ソでもない、イスラムを原動力としたイラン民衆の革命でした。

アメリカ政府にとって、エジプトは難しい局面です。

アメリカは、エジプトがイランのようになって欲しくないことはもちろんのことですが、パキスタンのようにもなって欲しくない。パキスタンは、表面上は民主的な体制であっても、内実は軍部が裏で何をやっているのかが見えない状態だからです。

アラブ諸国はアメリカ政府の出方を見ています。アメリカ政府は、宗教を超えて民衆の味方になるのか、それとも、軍部と結託した新体制を構築しようとするのか。アメリカが後者を選択する様子を少しでも見せたとたん、エジプトの民衆はより過激に反応するでしょう。オバマさんは、宗教的な論争ではなく、ディストピアは民主主義に反するということで、民衆をまとめたいところでしょう。それとも弱体化したアメリカとしては距離をおくのか。中間選挙を睨みながらオバマさんも難しいところですね(オバマさんがこれを人気獲得の好機と捉えることも可能です)。

さて、わが国政府はどうでしょう?

我が国の総理は、昨年に引き続き、通常国会においても、ハクスリーの『すばらしい新世界(Brave New World)』を持ち出して、最少不幸社会の推進を声高に主張しているようです。

極端な管理社会、人権が抑圧された「ディストピア」を皮肉った小説を本当に読んだのでしょうかね? 私のような老百姓にとって、世界情勢なんて関係ないのかも知れません。 しかし、リーダーの視点が我々と大差ないのであれば、何だか恐ろしくなってきます。

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