2011年2月24日木曜日

日本国憲法前文を読んでみよう

「日本には世界に誇れる憲法九条があるではないか。憲法九条を世界に輸出しようではありませんか!」と、ある教育者の方が声高に叫ばれるのを聞いたことがあります。今日は、日本国憲法の前文を分解してみましょう。

最初のパラグラフ。これは、リンカーンの有名なゲティスバーグ演説のパクリですね。日本語訳(つまり、憲法前文!)には、以下のことが書かれています。

  1. 主権在民は、選挙によって選ばれた代表者を通じて行う
  2. 我々と我々の子孫のために主権が国民に存する
  3. 他国民との協和の恩恵を確保する
  4. 自国が自由であるという恩恵を確保する
  5. 政府が再び戦争を起こさないように主権は国民に存する

南北戦争直後、リンカーンはゲティスバーグ演説で何を訴えたかったのでしょうか?「人民の(of the people)人民による(by the people)人民のための(for the people)政府」は誰もが知っているフレーズです。 しかし、リンカーンが本当に言いたかったことは、「勝った側も、敗けた側も、戦争で死んだ人(honored dead)は犬死にじゃないんだ」ということです。日本国憲法前文を作成したアメリカ人は、そのことを理解していたことは間違いないと思います。つまり、日本敗戦後、今ある平和は、多くの犠牲のもとにあるのだということを伝えたかったのでしょうね。しかし、日本語訳は、本来の目的を反映していないのです、意図的なのでしょうか?

二つ目のパラグラフ。われわれ日本人が強く望むこと(desire)に関してです。

  1. 恒久の平和を念願する
  2. 人間相互の関係を支配する崇高な理想を自覚する
  3. 平和を愛する他国の公正と信義を信頼して(trusting in the justice and faith of the peace-loving peoples of the world)、自分達の安全と生存を保持しようと決意する
  4. 国際社会で名誉ある地位を占めたいと強く望む(国際社会とは平和維持、専制と隷従、圧迫と偏狭を除去しようと努めている社会)
  5. 全世界の国民が、恐怖と欠乏から免れ、平和に生存する権利を有することを認識する

多くの人が支持している日本国憲法の中では、国民が信ずることが三つあります。

  1. いづれの国家も他国を無視してはならない
  2. 「政治道徳(political morality)の法則」は普遍だ
  3. 「政治道徳の法則」を遵守するのは、各国も同様に責務を果たすことに依存している

最後に、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓って(pledge)います。

如何でしたか? 学校で教わったのと同じでしたか?

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3 件のコメント:

  1. ユダヤ人と日本人といえば、杉原千畝も忘れてはなりませんね。

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  2. 杉原さんは有名ですね。でも、樋口季一郎や安江仙弘を知っている日本人は少ないと思いますね。ソ連が樋口をA戦犯として処刑しようとしたのを、NYのユダヤ人社会がプレッシャーをかけて阻止したそうです。

    日本人がユダヤ人を受け入れたのは、日本人がユダヤ人やユダヤ教に対して無知だったからではないかという意見もあります。

    これは、今でもほとんど同じで、宗教心が稀薄な日本人にとって、ユダヤ教だ、イスラム教だ、キリスト教だといわれても、わからないのですよ。日本の神様はどこにでもいますから(八百万の神々でトイレにだっていますから、、、)。

    チュニジアに端を発した中東の問題も、紀元前に遡る神様の問題だと考える日本人は少ないと思います。格差問題として捉えたほうがわかり易いのでしょう。

    ***

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  3. 確かに私もアメリカに来るまでは、宗教に関しての考えは希薄でした。

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