2011年2月26日土曜日

1852年 世界が見る日本

マクファーレン著
草思社

1852年、ニューヨークで『The Empire of Japan』という本が出版されました。江戸時代の政治・経済や日本人の性格や教育レベルまで様々な情報を収集し分析しています。当時の英米の対日観です。この本こそが、黒船でやって来たペリー将軍の参考書だったのです。ペリーは、交渉の相手国のことを事前に勉強していたのです。米墨戦争でメキシコからテキサスやカリフォルニアを併合したアメリカ軍の猛将ペリーは、兵法「知己知彼、百戦百勝」の「知彼」を実践し、「次は日本だ!」と日本のことを学習していたのです。マッカーサーよりも謙虚な軍人だったかも知れませんね(!?)。

『日本』には以下のことが書かれています。江戸の町から江戸湾に浮かぶ黒船を眺めるのもいいですが、ペリーの視点、つまり、アメリカが日本をどう見ていたかを学ぶことは大変重要なことだと思います。

  • 日本には二人の皇帝がいる。将軍は世俗権力を掌握する皇帝、神の子孫である帝は日本人の心の将軍であり、軍隊を保持していない。
  • 日本は自由で独自の発展をとげている。
  • 日本は世界で一番教育が行き届き、どんなに貧しい農民さえ、少なくとも読むことができる。
  • 日本は平和で庶民により治安が保たれている。
  • 日本では女性の地位は高い(他のアジアの国と比較して)。
  • 日本人は礼儀正しく社交的である。
  • 日本人は花が好き。日本人はタバコが好き。
  • 日本人はよく働き、遊ぶことも大好きな国民である。

なぜ、歴史を学ぶか?日本の歴史を学ぶのは、日本や日本人を知ること、つまり、アイデンティティの確認です。今日は2月26日、75年前に二・二六事件が起こった日です。日露戦争の戦費調達をニューヨークのユダヤ人銀行家シフ相手に行った高橋是清も殺害されました。二・二六事件から、近代国家と天皇の関係を考えるか、それともただ単に右翼青年将校のクーデター未遂と片付けるかどうか、、、奥は深いですね。

さて、第三の開国を唱える日本政府は、他国が日本をどう見ているのか、しっかりとした認識はあるのでしょうか?

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