2010年1月25日月曜日

「躾」という漢字は中国語にない

今日は中国語の話を少々。

中国語に「躾(しつけ)」という漢字はありません。ご存じでしたか?

同じような意味の中国語(漢字)は「教養」と「礼帽」です。使い方は、「他很有教养(養)」とか、「他很有礼貌」といった具合です。 「他」は he の意味で、「很」は very です。つまり、「彼は、きちんと躾(教养)ができている」です。

中国語には「修身養性」という四文字熟語があります。日本語の「躾(しつけ)」に一番近い意味だろうと思います。

昨年12月に上海で中国の20代の若者たちと食事をする機会がありました。「修身養性を知っている?」と、尋ねてみたところ、笑われてしまいました。

中国で1980年代に生まれた人たちを「80后」と言います(「パーシーホウ」と発音します)。彼らは、一人っ子政策が適用された後に生まれた世代で、「小皇帝」(ちいさなエンペラー)と言われ、自己中心的でチームワークが苦手だと思われています。

中国も世代間のギャップは大きいようで、今までの中国にないような人生観を持つ人たちが、世の中の中心になって行くのでしょう。 1~2年前から、「90后」という言い方も出てきました。これは、1990年代に生まれた若者です。「80后」とはまた違った現代中国の新人類なのでしょうね。

一方、少し年配の中国人には、「修身養性」を大事にする人はいっぱいいます。 中国語の場合、「教養」と「礼帽」は成人するまでに身につけるもので、「修身養性」は生涯をかけて磨くものという認識のようです。

修身というのは、「自分の行いを正し、身をおさめととのえること」です。こういったことが、教育の意味するところだと思います。

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