2010年1月3日日曜日

自尊心

自尊心とプライドはどう違うのでしょうか?

広辞苑には、自尊心とは「自尊の気持。特に、自分の尊厳を意識・主張して、他人の干渉を排除しようとする心理・態度。プライド」と書いてあります。これでは良い意味なのか、そうでもないのか、はっきりしませんね。それに、日本では自尊心とプライドをわけて考えていないようです。また、自尊心という言葉は、最近あまり使われなくなったような気がします。

アメリカでセルフ・エスティーム、つまり自尊心は、すごく良い意味です。悪い意味では使いません。例えば、「He has high self-esteem」というと、すごく必要とされている人のことで、最高の褒め言葉です。

一方、プライドは肯定的にも否定的にも使われます。「He is proud of his work」と言えば肯定的で、「He is a proud person」と言えば、ちょっとおごった奴だといったニュアンスです。「彼はXX会社の管理職なのでプライドが高い」といった具合です。プライドは、自尊心のように自分自身の中から生まれるものでなく、外部の何かに従属することによって勢いをつけるといった感じでしょうか。

実は、このセルフ・エスティームは、アメリカの公立学校教育の根幹を成しているのです。アメリカは世界中から人が集まってアメリカという国を形成しています。「It’s OK to be different」 が社会の基本です。他人から何を言われても、自分を尊ぶ強い気持ちがないとやって行けません。

「アメリカのいじめは日本のいじめよりも辛辣だよ」と息子が言っていました。アメリカのいじめは、人種差別、偏見や貧富の差をズバリ突いてくるのだそうです。子どもたち一人一人が自分に誇りを持たないと、つまり自尊心を持たないと、いじめに打ち勝って学校や社会で生き残れません。

自尊心を持てず、将来に対して夢と希望がなければ、何のために生きているのでしょう?どのような試練も何とか乗り切るへこたれない姿勢は、自尊心の確立から始まるのではないでしょうか?

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4 件のコメント:

  1. 「自尊心をもてず、将来に対して夢と希望がなければ、何のために生きているのか?」というのは、子供の教育のみならず、自分に対する問いとしてもズバリ核心だと思います。

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  2. 自尊心がなくプライドだけが高い人があまりにも多い。恥知らずな政治家が多いのは、こういった問題ではないかと疑っています。私自身も要注意ですね。

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  3. 「It’s OK to be different」- 日本でも「みんなちがってみんないい」とか「世界に一つだけの花」とか結構似たようなことは言われてますよね。
    でも日本の学校教育は本来の勉強以外に躾まで背負わされているが故に、管理型(指導しやすいように平準化を求めるというか・・)になっている気がします。本来は躾は親の仕事だと思うのですが・・。フィンランドと日本の差は教師の環境にあると読んだことがあります。フィンランドでは生活指導や進路相談などは親やカウンセラー(学校常駐)の仕事なんだとか。日本の学校が本来の勉強をする場になることを切望します。

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  4. これは内緒ですが、私は小学校の通知表には必ず「協調性がない」と書かれていました。

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