7月20日の参議院選挙から日が変わり、大勢が明らかになったものの、私にとっては驚きはありませんでした。最初から大きな期待を抱いていなかったので、予想通りの結果と言えます。
今も変わらぬ問題は、ジャーナリズムの不在と国民のリテラシー(教育)の不足です。日本の政治は、視野の広いビジョン(未来図)を持ってこそ成り立つべきものですが、そのビジョンが曖昧であれば、教育にいくら力を入れても、実を結ぶことはありません。むしろ、日本の受験システムは教育とは言えず、ベクトルが間違っています。受験を目的とした教育は、個々の能力や創造性を育むことに向いていないのです。国家が目指すべき未来像が不明瞭なまま、教育システムはただ形式的に進行し、真の問題解決にはつながりません。
国家は努力して作り上げるものであり、教育はその実現のための重要なツールであり手段です。政治家もその手段の一部であるべきですが、現状では多くの政治家が手段と目的を履き違え、権力の座にしがみつくことが目的となってしまっています。そのため、政策の実現よりも、自己の立場や利益が優先され、国民のための政治が行われることは少なくなっています。メディアもまたその役割を果たせていません。ジャーナリズム精神は失われ、ただ視聴率や票を求めるだけの報道が繰り返されています。
これらの問題に対して、私が今回の選挙結果を見て思うことは、むしろ「もっと堕落しろ!」という坂口安吾の言葉に近いものを感じることです。敗戦直後に安吾が『堕落論』で述べたように、堕落することで逆に目覚める瞬間が来るのかもしれません。この国の国民が、いつ目を覚ますのか、そしてどこまで堕ちていくのか、そんなことを考えながら選挙結果を見つめていました。
この国の未来は、政治家やメディア、教育に委ねられているのではなく、最終的には国民一人一人の意識改革にかかっているのではないでしょうか。しかし、その目覚めがいつ来るのか、私にはまだ分かりません。たぶんもうこの世にはいないでしょうが、、、、。
***
0 件のコメント:
コメントを投稿