2010年9月27日月曜日

頭を冷やすために散歩をしました

(夏目漱石旧居跡の吾輩)

昨日は天気が良かったですね。やっと散歩ができます。お茶の水から湯島聖堂に行き、神田明神を抜け、根津から夏目漱石旧居跡を通って団子坂から日暮里まで歩きました。

夏目漱石の「吾輩は猫である」は何度読んでも面白いですね。吾輩である猫の眼から見た人間世界の描写、主人である苦沙弥(くしゃみ)君やその他の登場人物の個性、全てにおいてメリハリがついていて実に見事です。落語で登場人物が多い噺の場合、下手な落語家がやるといけません。多くの人物と情景の描写に振りまわされるからです。 漱石の「吾輩は猫である」は、名人の落語家が登場人物の多い噺を見事に演じているかのようです。

The man who reads nothing at all is better educated than the man who reads nothing but newspapers(アメリカ第三代大統領 トーマス・ジェファーソン)。

以前にもご紹介しましたが(http://ibg-kodomo.blogspot.com/2010/03/blog-post_07.html)、様々な名言を残しているジェファーソン大統領が、「新聞ばかり読んでいる人よりも、全く読まない人のほうが教養がある」と言っています。全く同感です。しかし、日本の場合、新聞に加え、テレビの悪影響が深刻な問題です。「テレビを全く観ない人は、テレビだけを情報源としている人よりも教養がある」です。 戦後の占領政策でアメリカは日本人を洗脳するのにテレビを有効利用したと言われていますが、まだその呪縛が続いているのでしょうか?

日本のニュース報道を見て気になるのは、「主観」と「客観」が一緒くたになっていて境目がはっきりしない点です(国の境界も同じか、、、)。司会者や出演者が、自分の感想を言っているのか、それとも、客観的な事実を報道しているのかよく分からないのです。全く専門家でもない人たちが、自称知識人ですかねぇ、中途半端な知識で堂々とコメントしています。「日本は言論の自由が担保されている」と言えばそれまでですが、あまりにも無責任だと思いますね。ジャーナリズム精神なんてものは毫もないのでしょうか。

「事実はこうこうです。様々な意見があるようだけど、私の立場はこうで、このように考えます。その理由は、これこれこうです」と話をすすめてもらいたいものです。でなければ、「この番組はバラエティ番組です」と最初に断るのがいいでしょう。

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1 件のコメント:

  1. 日本のテレビ番組は、特に報道番組は質を上げないとまずいですね。前回日本に行ったときは、ちょうど事業仕分けの真っ最中でした。スーパーコンピュータ事業の仕分けをする政治家が「何で2番じゃいけないんですか?」と詰め寄っている場面を何度もやっていました。日本のスーパーコンピュータは20位にも入っていないのに、番組に出てくる大学教授兼コメンテーターや知識人は、2番ではいけない持論をを一生懸命力説していました。

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