2010年9月16日木曜日

カリフォルニアからシュワちゃんがやって来た!

カリフォルニアからシュワちゃんがセールスにやって来ました。新幹線をエサにカリフォルニアワインや農作物を日本や韓国に売りつけたいのでしょうね。

去年、カリフォルニア州からIOUが届きました。IOUとは「I Owe You」を意味する借用書のことです。「後で返すから今は待ってね」と宣言する文書のことです。書面には、さすがにIOUとは書かずに「Registered Warrant」と書かれています。ibgがカリフォルニア州に納めた企業所得税の返納分を一方的にIOUで送りつけてきたのです。差出人がカリフォルニア州知事のシュワルツネッガーだったら額に入れてとっておこうと思ったのですが、残念ながら州コントローラー(財務担当)のJohn Chiangさんからでした。



カリフォルニア州は様々な問題を抱えています。

今のアメリカを象徴するかのような州です。州の財政を個人所得税収に依存する比率が高い、つまり、シリコンバレーを中心とするキャピタルゲインとかストックオプションで稼いだ起業家からの税収に頼っているのです。一方、メキシコからの不法移民が何百万人も入り込んでいます。彼らは不法滞在者ですからちゃんと税金も払っていません。州政府は彼らを合法にして、そうすることによって税金を徴収し税収を上げようと躍起になっています。さらに、一人一人の不法労働者と対応するのは効率が悪いからと、企業にその責任を転嫁して、企業が不法労働者に対してちゃんと対応をしなければ、不法労働者が見つかった企業から膨大な罰金をとる仕組みにしています。アメリカ人の考えそうなことですよねぇ。

住宅事情に関してもここ7~8年のアメリカを代表しているかのようです。カリフォルニアは住宅価格の上昇と下降の振れ幅が最も大きかった地域の一つです。土地は広いから家はいくらでも建てられます。ロサンジェルスやサンディエゴは車でちょっと東に走ればもう砂漠です。バブルにのって砂漠のほうにまで宅地を開発して移民や若い人向けの住宅をいっぱい造ってしまいました。金融危機で収入は安定せずローンの支払もままならず家はFORECLOSURE(差し押さえ物件)となり住宅価格は下がり続けます。

ちなみにカリフォルニア州の失業率は全国平均よりも高く、2009年5月が11.6%(全国平均は9.5%)でした(今年に入ってからは12%台です)。

シュワルツネッガー知事は昨年の春に「政府で何とかしてくれ~!」とワシントンDCに乗り込みました。交渉相手はルービン一家のフロントマンのガイトナー財務長官です(日本の財務大臣よりもずーっと甘いマスクですが中味は違います)。ターミネーターのシュワちゃんでもウォールストリートのルービン一家にはかないません。冷たく追い返されてしまいました。政府としては、財政赤字で死にかけている州はカリフォルニア州だけじゃないからカリフォルニアだけを特別扱いする訳にはいかないからでしょう。どうしようもなくなったカリフォルニア州はIOU発行を最後の手段としたのです(ルービンはクリントン政権の財務長官、元ゴールドマンサックス、シティバンク会長)。

カリフォルニア州は人口も3800万人で全米最大の州です。そのカリフォルニアが破綻しています。借用書を発行して支払を待ってもらうしかない状況に陥っているのです。万が一新幹線が売れたら、「支払いはカリフォルニアワインでどうかね?」なんて言ってきそうです。

カリフォルニアがアメリカという国全体の状況を象徴していると思えてなりません。今に世界の国々に対して「IOU」の送付を開始しないだろうか? 戦争を起こされるよりましですが、、、。

***

0 件のコメント:

コメントを投稿