2012年8月24日金曜日

軽々しく担えるものじゃない

  
 
猛暑の中、マンションの建設が続行されています。以前ご紹介したクレーン車も大活躍中です。 間近でクレーン車を見る機会なんてあまりないものですから、一日の作業前の早朝にゆっくりと観察させてもらいました。
  
物の重さは複滑車(block and fall)で小さくなります。 クレーンのジブ(腕の部分)先端に使用されるのが定滑車で、先端の定位置に固定されています。 先端からぶら下がっているフックに使用されるのが動滑車です。 動滑車によって荷を上げるには、荷の重さの半分の力(滑車の摩擦がないものとして)でいいのですが、荷を1m上げるのにロープを2m引っ張ることになります。 すなわち、力は小さくてすむが距離は倍になります。 写真上方にロープが何本も見えると思います。
  
クレーン車って国家間の外交みたいなものです。 いくつかの動滑車と定滑車を組み合わせて小さい力で重い物を上げ下げする。 そして大事なことは全体としての力の平衡(balance of power)です。 吊り上げる荷でクレーン車が倒れないように荷重をつりあわせることです。 足もとで地盤をしっかりと踏ん張っていることも重要です。

私がいくら早朝からクレーン車を眺めてもオペレーションができるようになる訳ではありません。 同じように、一国の外交というのは、軽々しく担えるものではないということでしょう。


  







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