2012年8月4日土曜日

桃井かおりのお父様

金沢城の石垣 ~ 城は防衛施設で、その中でも重要なのは石垣
 
朝から30年前の本を読んでいました。 著者は国際政治学者の桃井真(故人)。 「軍事力とは?」について書いています。 桃井真さんと言ってもご存じないでしょう。 でも、桃井かおりと言えば? 桃井真は女優 桃井かおりのお父様です。 娘に関するエッセイを一回だけ書いています。 『うちのかおり、そとのかおり』 (1980年 文芸春秋)です 。

桃井真は、「娘かおりには自分だけで生きて行けるようになってほしい。 試行錯誤を繰り返しながら錯誤の幅がだんだんせまくなり、独りで生きて行けるはずだ」と言っていますが、恐らく日本という国に対しても同じような眼で見ていたのでしょうね。 
 
今の日本って試行錯誤を繰り返して錯誤の幅をせまくするどころか、どんどん錯誤の幅が広くなり倒錯の世界に入り込んでいるような気がします。
 
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親は子の試行錯誤を見守るだけ

娘について語れといわれてホイホイ引き受ける父親は、バカの見本みたいなものだ。 娘は-または息子は-十代に入る辺りで、娘から女に、息子から男になる。 自分でいろいろ決め、悲しみ、喜びを味わってゆく。 いちいち親の出る幕ではないし、出れない。 外での一挙手一投足まで関与できない以上、まかせる以外にない。だからお宅の教育方針をといわれても困る。 そんなものはない。本屋と契約し、本は自由に買わせた-以外、意識的に教育にかかわった記憶はない。 こっちの専門分野なら意見もいえるが、学校、職業、人生ともなると、教えることなどできない。 一人一人が試行錯誤をくり返し、そのプロセスで何をどれだけ自分でつかむか。 親はそれを見守るだけだ。 そして困った時、苦しい時に他人には出来ないことをしてやれればよい、としか考えられない。
 
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