2011年7月9日土曜日

プライドへの依存

広島原爆ドーム

エリック・ホッファーのアフォリズム(格言)は難しくてよく分かりませんでした。 ところが、今の日本にいると、私のような凡人でも、かなり理解できるようになりました。

自尊心(self-esteem)は、自らの潜在能力と実績から引き出されるのに対し、プライド(pride)は、もともと自分にないものと一体化して感じる価値の感覚であるそうです。 例えば、自分を空想のリーダーと同一化して勘違いしてしまう。 そして、自分に将来性と潜在的な能力がなければないほど、プライドへの依存は不可欠となる。 日本人の場合、このプライドの探究も集合体で、一度に一方向に進む傾向にあるのが恐ろしい気がします。

エリック・ホッファー 『情熱的な精神状態』

自立している人は、自尊心がある限り安定しています。自尊心を維持することは連続する辛い仕事です。そして、その仕事は個人の力や心の資源を全て奪ってしまいます。 日々、自らの価値を証明し存在を新たに正当化しないといけないのです。

理由が何であれ、自尊心が失われた場合、たとえこれまで何とか自立していた人でも、非常に崩れやすくなります。 単に将来性のない個人であっても、自尊心の危険な代用物、つまり、プライドを追いかけることに邁進するようになるのです。 全ての社会的な不安や経済的な衰退は、自尊心の危機に端を発します。 要するに、多くの大衆がいとも簡単に結束するような大きな試み(例えば、政権交代の情熱的な精神状態)は、自尊心の代替物としてのプライドの探求なのです。 

The individual on his own is stable only so long as he is possessed of self-esteem. The maintenance of self-esteem is a continuous task which taxes all of the individual’s powers and inner resources. We have to prove our worth and justify our existence anew each day.

When, for whatever reason, self esteem is unattainable., the autonomous individual becomes a highly explosive entity. He turns away from an unpromising self and plunges into the pursuit of pride-the explosive substitute for self-esteem. All social disturbances and upheavals have their roots in crises of individual self-esteem, and the great endeavor in which the masses most readily unite is basically a search for pride.


***

0 件のコメント:

コメントを投稿