2010年12月17日金曜日

鎌倉と三鷹の共通点は?

昨日、所用があって鎌倉に行ってきました。

鎌倉と三鷹の共通点は「太宰治」です。

インターネットで著作権が消失した過去の文学作品を無料で読むことができるので重宝しています。長い文章をPCのディスプレイ上で読むのは苦手なのですが、短編だと問題ありません。短編が多い太宰治とか織田作之助はもってこいです。

学校の教科書では未だに「走れメロス」の太宰治ですが、私は好きな作家の一人です。理由は、太宰というのは「小説に出てきそうな小説家らしい小説家だった」と思うからです。私のブログのようなインスタントな文章でなく、熟考した上でエンターテイメントとしてのストーリーをアウトプットしようとしたのでしょうね。つまり、太宰治は職業意識の高い文筆家なのです。

太宰治は三鷹の玉川上水で自殺しましたが、鎌倉でも心中を図っています。昭和5年、大学生の頃です。許嫁がいたにもかかわらず、銀座のバーで知り合ったばかりの女性と薬を飲んで海に飛び込み女性だけが死んでしまいました。『道化の華』は、その時のことが舞台になっている短編です。その後、時代は満州事変から日華事変、大東亜戦争になり敗戦からアメリカ占領時代に突入します。

太宰治が死んだのは敗戦から3年後の昭和23年です。太宰と言えば、私生活と小説がオーバーラップしたデカダンスなイメージですが、戦前戦中戦後と時代を反映して作品は変遷していったのだと思います。戦後の作品を読むと、反骨の精神が垣間見えます。今の日本を予言していたのかも知れませんよ。http://ibg-kodomo.blogspot.com/2010/07/blog-post_29.html (7月29日「太宰治のこと」)。

江ノ電 心中を図った小動岬(こゆるぎみさき)の近く


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