2010年12月15日水曜日

宮本武蔵はなぜ負けなかったのか?

学校で習うことなんて、人生の中のほんの一部ですね。偏差値をベースにした日本の受験システムを全否定するわけではありませんが、戦後教育の集大成であるかのような昨今の日本を見ていると悪夢を見ているようです。

「理論の基礎は実践であり、理論はまた転じて実践に奉仕するものである」。これは、毛沢東の「実践論」(1937年)からの引用ですが、毛沢東は宮本武蔵の「五輪書」でも読んでいたのですかね? 宮本武蔵は有名な剣豪です。巌流島で佐々木小次郎とも決闘をしました。ご存じの通り武蔵は最後まで負けなかった。生涯六十余回の決闘をしたそうですが、遂に一回も負けなかった。

なぜ負けなかったか?

武蔵は晩年、「自分は器用であった」と言っています。「兵法の理を知っていたから勝ったのではなく、自分の小手先が器用だから勝ったのだ」と。武蔵の書画を見ても武蔵が抜群に器用であったことは分かりますが、多くの経験を積んで、その中から何かを掴むということが出来たのでしょうね。武蔵は実践を通じて常に勝つことを考えました。それは非常に合理的で現実に即したことだったのだろうと思います。一本より二本、武蔵の二刀流なんて、まさにこれですね。

武蔵の「五輪書」は、彼がたどり着いた人生の方法論です。

第一に、よこしまになき事をおもふ所 (正しい事を考える)
第二に、道の鍛錬する所 (学問/芸は鍛錬すること)
第三に、諸芸にさはる所 (多芸に親しむこと)
第四に、諸職の道を知る事 (様々な分野を知ること)
第五に、物毎の損徳をわきまゆる事 (物事の損得を理解すること)
第六に、諸事目利(めきき)を仕覚ゆる事 (真実を見きわめる力を養うこと)
第七に、目に見えぬ所をさとってしる事(目に見えないところを悟ること)
第八に、わづかなる事にも気を付くる事(小さなことにも気をつけること)
第九に、役にたたぬことをせざる事(役にたたないことをしないこと)

私は、第三が好きです。

(東照宮の石灯籠(苔のむすまで、、、、)

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