2010年10月30日土曜日

「足るを知る」って日本人だけのもの?

上海料理の青菜豆腐です)

昨日、台風14号の風雨と共に上海から帰国しました。 今日だと上海-成田は全てキャンセルでした。危ないところでした。

エリック・ホッファーは「情熱的な精神状態」の中で、以下のように言っています。

『「もっと!」は、不平不満の空想家によって作り出されたモノのように、非常に効果的な革命スローガンだ。足るを知らないアメリカ人は永遠に革命的だ。彼は変革を誇りとする。つまり、まだ所有していないものを信仰し、獲得のためには人生(命)をかけようとしている(“MORE!” is as effective a revolutionary slogan as was ever invented by doctrinaires of discontent. The American, who cannot learn to want what he has, is a permanent revolutionary. He glories in change, has faith in that which he has not yet, and is ready to give his life for it.)』 。

中国のウルトラ格差社会は日本でも報道されています。しかし、本当の問題は、お金持ちが正当にお金持ちになっていないことなのです。「官二代」や「富二代」は最近の中国メディアで耳にする言葉です。「官二代」は、ワイロやキックバックをもらって金持ちになった官僚や公務員の2代目のことで、「富二代」は、倫理的に正しくないことをしてでも金を稼いだ金持ちの二代目のことを指しているようです。

アメリカ人は、所有していないものを獲得するために人生をかけるかも知れません。ところが、中国の人の中には、獲得するために他人の人生(命)を軽視する人たちが多いことだけは確かです。

日本人だけが「足るを知る」を行動倫理とした場合(外交の力なく)、日本列島はあっという間に日本人のものではなくなるでしょうね。ストレスフルな上海から日本に帰ってくるとホッとします。胡錦濤・温家宝政権がスローガンと掲げる安定した「和諧社会」(協調社会)のロールモデル(お手本)は日本であることは間違いないのです。

***

2 件のコメント:

  1. 三鷹の隠居さん☆おはようございます
    同じくホッファーの「大衆運動」に書かれていた
    ”我々は必需品を求めるときよりも、贅沢品を求めて努力するときの方がムキになる。贅沢品を断念すると、多くの場合、我々は必需品の欠乏も意識しなくなってしまう。”
    という一文を思い出しました。
    「足るを知る」を知らない人を相手にしているのだという意識が、日本政府にはありませんね。
    現在の日本人だって「足るを知る」を分からない人が増えているのにね。

    返信削除
  2. コメント有り難うございます。私は足るを知りすぎて、いまだに1960年代、1970年代の音楽で楽しめます。ホッファーも何度も読み返します(なかなか理解できないので、、、)。でも、少しずつ新たな発見があるのです。

    ***

    返信削除