2010年10月18日月曜日

葉隠のすすめ ~ 大高慢

アメリカの義務教育(K-12:日本でいう幼稚園年長組から高校3年生まで)が根幹にしているのは「自尊心(self-esteem)」の育成です。

武士の心得、つまり、武士道のマニュアルである「葉隠」の基本精神も、実はこの「自尊心」なのです。江戸時代の武家社会では、現代のアメリカと同じ概念を教育のバックボーンとしているのです。面白いと思いませんか?

「葉隠」の序文「夜陰の閑談」に次のような記述があります。

同じ人間なのだから、誰に劣るというのだ。だいたい修行と言うものは、大高慢でなければものにならない」(同じ人間が誰に劣り申すべきや。惣じて修行は、大高慢にてなけば役に立たず候。How can one human being be inferior to another? In all matters of discipline, one will be useless unless he has self-esteem)。

「葉隠」の中に出てくる「大高慢」というのが「自尊心」で、英語で言うところの「self-esteem」です。「高慢ちき」などと、高慢というのは、思いあがっている人のことで、あまり良い意味ではありませんね。しかし、「葉隠」の至る所に出てくる「大高慢」はそうではありません。武士たるもの、強い気概と自負心をもつことが大事であり、「大高慢」がなければ、武士としての修行でさえものにならないと言っています。実は、コンサルタントの世界も同じで、「大高慢」を内に秘めていないと、コンサルタントとしては成功しません。

三島由紀夫は著書「葉隠入門」で、以下のように言っています。

「葉隠」ほど、道徳的に自尊心を解放した本はあまり見当たらぬ。「武勇は、我は日本一と大高慢にてなければならず」。「武士たる者は、武勇に大高慢をなし、死狂ひの覚悟が肝要なり」と、「葉隠」の精髄として引用しています。

「自尊心」に関するブログ。
http://ibg-kodomo.blogspot.com/2010/01/blog-post_03.html

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