2011年5月12日木曜日

健全なナショナリズム

通恵河の遊歩道と黄砂で曇った空

北京の街を見ていると、公共事業への投資が経済成長を維持していることが分ります。人からコンクリートで経済成長を維持させているわけです。この政策は、2008年の北京オリンピック以後も続いているようです。さすが独裁国家ですね。恐れ入りました。国民、いや、人民の意見は無視すれば言い訳ですから。

健全なナショナリズムは難しいものです。

日本ではナショナリズムなんて言うと、右翼の街宣車かヒトラーを連想させるか、事なかれ主義の国ですから何も反応しないかです。中国政府の不安は、実は「健全なナショナリズム」の台頭です。中国国内では、facebookなどのソーシャル・ネットワークやYouTubeは基本的にアクセスは許可されていません。ところが、何でもありの中国で、情報の流入を完全にシャットアウトすることは不可能です。したがって、中国政府は大衆を無視できなくなりました。ウルトラ格差や汚職、中国の将来を本当に心配する勢力、つまり、「健全なナショナリズム」が一党独裁の共産党を批判し、それが欧米の人権運動と結びつくことは、中国共産党が一番恐れていることなのです。

原発からの放射性物質の拡散状況に左右される状況が続いています。正しい意志と正しい知識、つまり、「健全なナショナリズム」で一刻も早く危機的状況を征圧してもらいたいものです。

***

4 件のコメント:

  1. 日本で健全なナショナリズムが出来るのは、期待薄です。国防が国益にならないと明記されている社会科の教科書の内容を正しく変えていかないとだめです。
    今回の震災で自衛隊の評価が上がりました。良いことです。しかしあれは自衛隊の本質を理解して評価したものではなく、救助と復興に真摯に取り組む姿が評価されてたものであるように思えます。今後の自衛隊に対する政府やマスコミの対応を見て、今回の評価が本質的なものかを見極められると思います。
    それから、原発ですが、首相の突然の原発停止は、民主主義の長の権限を越えているように思いました。私は、インターネットの記事しか情報源がないので、それを見る限りでは、あの停止命令が広く評価されているようです。これを見て、健全なナショナリズムには程遠いと思いました。

    返信削除
  2. 原発停止に関する国民の支持は70%を超えているそうです。政府に圧力をかけられているマスコミの情報操作だと思いたいですね。日本人はそれほどバカじゃないと信じたい。

    今回の北京出張で面白かったのは、中国の人たちから「一党独裁で国家の上に共産党がある中国では愛国心は難しい」といったことを聞けたことです。中国は変化してきています。1989年の天安門みたいにならなければいいですが。

    日本って何なんでしょうね? 中国のように、党が国家の上に立つ体制を目指しているのか? それとも総理大臣の独裁体制?

    国の概念が稀薄だから国防は必要がない。したがって自衛隊は国際救助隊を目指す、、、が、党の軍隊になる?総理大臣の親衛隊?

    本当に不思議な国家(?)ニッポンです。

    ***

    返信削除
  3. 中国人の愛国心の件、驚きました。国民がソーシャルネットワークを通じて、成熟してきているのでしょう。

    原発停止に70%の支持ですか!!!マスコミの操作にしても、これに同調する人が増えるでしょうね。それから、政府が東電の債務の放棄を銀行に要請した記事も読みました。絶句しました。市場のルールを逸脱しています。会社更生法適用をもって初めて放棄を検討するのがルールでしょう。政府は社会主義国家化を進めていると見えます。本当にニッポンは不思議な国になっていきます。

    返信削除
  4. 中国でfacebookへのアクセスはできません。しかし、インターネットの助けもかりながら若い人たちの中には共産党に批判的な人が増えていると感じます。彼らは、祖国が不完全なねじれ国家だと嘆いているわけです。

    一方、日本はどうでしょうか?

    法治国家としても、資本主義国家としても大いに疑問ですね。究極の民主主義、つまり、「衆愚」か「独裁」に邁進しているかのようです。これを追究するジャーナリズム不在も大きな問題です。昭和の初期の「勝った勝った、また勝った」報道のようです。

    ***

    返信削除