本文とは関係ない正月の三鷹駅前
今年の年初は宮本武蔵からです。世の中、竜馬だ、坂の上の雲だと言っているのに、ちょっとずれていますか? 今の日本を見ていると、幕末維新よりも戦国時代まで遡った方が賢明ではないかと思いました。
宮本武蔵の『五輪書』には、グローバル社会を生き抜くノウハウが満載されています。アメリカのどのビジネススクールよりも奥が深いかも知れません。『五輪書』は、地、水、火、風、空という言葉で表わされる五巻からなっています。
- 『地之巻』、『五輪書』の概要です、我が流派の見方、つまり、武蔵の考え方について書いてあります。コンサルタントのドキュメントであれば、エクゼクティブ・サマリー(executive summary)のようなものです。
- 『水之巻』、武蔵の兵法「二天一流」について、水にたとえて解説しています。「二天一流」というのは、武蔵流の問題解決の提案(solution proposal)と言えるかもしれません。
- 『火之巻』、戦の方法論です。メソドロジー(methodology)ですね。戦は各種各様、規模も大小様々であり、戦にあわせた戦い方があると言うもので、戦は各種プロジェクトであり、一つ一つのビジネスとも言えます。
- 『風之巻』、他の流儀と武蔵の「二天一流」を比較検討しています。これは、コンサルタントの世界では、ケーススタディ(case study)か、ベンチマーク(benchmark)と言われるものです。
- 『空之巻』、『五輪書』の結論は、視野を広くして、流れを読み(リズムに合わせ)、フレキシブルに対応しろと言っています。「心意二つの心をみがき、観見二つの眼をとぎ、少しもくもりなく、まよひの雲の晴れたる所こそ、実の空としるべき也」。
知識(スキル)と気持ち(強い意志)の二つの心が大事であり、大局を見る心眼と物理的に目の前の物を見る二つの目が必要である。武士たるもの神仏に頼るな、責任は全て己にあるということです。 迷いの雲の晴れたる気持ちで今日を生きろということでしょう。山本常朝の『葉隠』とも通ずるところがあります。武士道とは、「Seize The Day」だったのです。
http://ibg-kodomo.blogspot.com/2010/10/blog-post_19.html (『葉隠』に関する過去のブログ)。
さて、人のせい、世間のせい、国のせい、他党のせい、アメリカのせい、中国のせい、半島のせいにしてきた日本は何処へ行くのでしょうか? 「坂の上の雲」ではなくて、「迷いの雲の晴れたる空の心境」に一歩でも近づいてもらいたいものです。武蔵の流儀は益々混沌とするグローバル社会では有効だと思います。
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