2011年1月19日水曜日

ハトが「パンドラの匣」を開けちゃった

三鷹駅南口の水飲み場のハト
(画像をクリックすると大きくなります)

太宰治の『パンドラの匣』にハトが出てきます。 「似たような名前の男」とは、当時、自由党を立ち上げた鳩山一郎のことを指しているようです。

「(前略)よく挙げられる例ですけれども、鳩が或る日、神様にお願いした、『私が飛ぶ時、どうも空気というものが邪魔になって早く前方に進行できない、どうか空気というものを無くして欲しい』神様はその願いを聞き容れてやった。然るに鳩は、いくらはばたいても飛び上る事が出来なかった。つまりこの鳩が自由思想です。空気の抵抗があってはじめて鳩が飛び上る事が出来るのです。闘争の対象の無い自由思想は、まるでそれこそ真空管の中ではばたいている鳩のようなもので、全く飛翔が出来ません」 。

「似たような名前の男がいるじゃないか」と越後獅子はスリッパを縫う手を休めて言った。「あ」、と固パンは頭のうしろを搔き、「そんな意味で言ったのではありません。これは、カントの例証です。僕は、現代の日本の政治界の事はちっとも知らないのです」
(太宰治「パンドラの匣」1946年)。

ハトが自由に飛び回るのも問題で、いたるところで糞公害が発生するのです。

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