久しぶりにモスバーガーへ行ってきました。おそらく5年、いえ、6年ぶりかもしれません。
家人に頼まれて、テリヤキバーガーとオニオンリングを買ってきてほしいと言われました。ちょうど銀行にも用事があり、お店は駅の反対側ではありますが、それほど遠回りにもならないので引き受けることにしました。お店に入ると、まず驚きました。カウンターではなく、ターミナルのような端末が置かれていて、自分で注文し、その場で支払いも済ませる方式になっていました。
私は現金で支払いたかったので、カウンターの中にいた店員の方(おそらく私よりは年下ですが、見た目は立派な高齢者)に「現金で払うにはどうしたらいいですか」と尋ねました。すると、その方はやや高飛車な口調で「キャッシュレスです」とおっしゃいました。
そういう時代なのだと、しぶしぶ受け入れて画面を操作し始めましたが、出てくるのはポイント決済やコード決済ばかり。ようやくクレジットカードの選択肢を見つけて安心したのも束の間、「会員番号を入力してください」と表示されました。
私はモスバーガーの会員ではありません。「会員でない場合はどうしたらいいのでしょうか」と再び尋ねると、店員の方は少々面倒くさそうな顔で、カウンターの上にある小さな三角形の札を指さしながら「そこから番号を一つ取って、それを入力してください」と教えてくれました。
たかだか770円の買い物です。それにしては、やけに手続きが多いと感じました。まるで謎解きゲームでもしているような気分になります。
カード決済であれば、お店側も数パーセントの手数料を取られるはずです。現金でさっと支払う方が店にも優しいのではないかと思います。
特に、私のような年金暮らしの高齢者などは、おだてておけば気を良くして余計なものまで注文するかもしれません。商売とは、そういうものではないでしょうか。
もっとも、「人のぬくもりだとかサービスで差別化して、多少値段が高くても気にしないような人は、そもそもチェーン店などに来るべきではない」という考え方もあるのでしょう。それはそれで、納得できます。
外に出ると、茹だるような暑さが体にまとわりつきました。まだ6月だというのに、真夏のような陽気です。梅雨は一体どこへ行ってしまったのでしょうか。
私は、現金で物が買えるというのが日本の良さの一つだと思っていました。
もともと外食はあまりしない方なのですが、こうして支払い方法が煩雑になると、ますます足が遠のきそうです。
買って帰ったテリヤキバーガーは、家人が「おいしい、おいしい!」と言って喜んでくれました。それを聞いて、少し報われた気がしたのです。
けれど、次にモスに行くときは——いや、しばらくは、ないかもしれない。
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