2010年3月12日金曜日

日本の現状、子どもたちの将来

「祖国があなたのために何ができるかを問うより、あなたが祖国のために何を行うことができるか問うてほしい」

My fellow Americans: ask not what your country can do for you - ask what you can do for your country.

これは、ジョン・F・ケネディの有名な言葉です。もし、今の日本の政治家が、例えば首相が、国民にこう宣言したら、日本社会ではどのようなリアクションが起るのでしょうか?日本人はパニックになってしまうかも知れませんね。

昨年の夏、ちょうど選挙の頃に帰国した私は、「政権交代。」で熱狂的な精神状態にいる日本列島に当惑しました(「政権交代」の最後に「。」があるのも不思議でした)。これは、もしかしたら、敗戦後数年間シベリアで抑留生活を送り復員してきた日本兵のような感覚かも知れません。

みんなが優しい日本では、弱者救済の美辞麗句のもとに、お互いが寄りかかるばかりの人たちが増えてしまいました。これからの日本を生きていく若い人たちには自立・自尊の精神を育んで貰いたいと思います。日本の世の中に身を委ねるのではなく、自分で意思決定していく強靱な精神力を養うことが重要だと思います。自分で取捨選択し、あらゆることに対して出来るだけ自分の意見を用意しておくことです(私自身あまり出来なかった反省からです)。

日本社会の流れに身を委ねないことです。自分の閑暇を大事にすることです。閑暇とは英語で言うレジャーです。レジャーとは、家族で遊園地に遊びに行くことではなく、ボーっとするヒマな時間です。ヒマな時間がないと、悩んだり考えることができません。客観的に情況を判断することなんてできないのです。

最近の塾の中には、子どもたちの「生きる力」を育むなんていうのもあるようですが、営利企業である塾が掲げる言葉としてはちょっとヘンですね。学校、塾、お稽古事に忙しくて時間のない子どもたちに一番必要なのは、閑暇であり、閑暇をどう使うかを自分で考えることだと思います。こういった習慣が、大人になってから自分で意思決定する力につながるのだろうと思います。

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3 件のコメント:

  1. 『閑暇』、大切な言葉ですね。

    台湾語で「忙しい」という言葉は『無閑』といいます。日本語や北京語のように『忙』という漢字は使いません。

    日本では忙しい人は偉い人で、暇な人は社会の負担のようなイメージがあるかもしれません。

    一方で、台湾では『閑』があるかないかが大切であるという概念が根底にあるのでしょうか、友人たちと「最近有閑無?」という言葉を良く交わします。

    "Time is money" ではなく、"Time is more than money"であると思います。

    自分の人生を低付加価値のことのために忙しくし、高付加価値の閑の時間を無くすことは、非常に勿体無いことです。

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  2. 昨年の年末、12月31日のブログからです(しつこくてすみません、、、)。

    エリック・ホッファーの「情熱的な精神状態」から。

    「ものごとを考えぬくには、閑暇(レジャー)がいる。成熟するにもレジャーがいる。いそいでいる人たちは、考えることも成長することも、堕落することもできない。かれらは、永遠に愚かで幼稚なままである」

    (It needs leisure to think things out; it needs leisure to mature. People in a hurry cannot think, cannot grow, nor can they decay. They are preserved in a state of perpetual puerility )。

    日本は敗戦後65年間、ずーっとperpetual puerilityにいると思えるのですよ、、、。

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  3. 私も考える時間の大切さを実感する時が間々あります。1週間仕事に忙殺され、週末に全く別分野の会合で人と話をすると、自分の思考が限定的になっていることに気がつきます。分野の違う本を読んでもそう思うことがあります。(マンガや雑誌ではだめです)前回のテーマのフレームワークと合わせて、論理的にトレーニングをしないといけないと考え始めました。

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