2010年4月7日水曜日

お金に対する感覚 ~ 日米中ではかなり違う

大量の偽一万円札が韓国で見つかったというニュースを聞きました。中国から韓国に持ち込まれたそうです。

帰国後半年が経ち、すっかり日本の生活に戻りました。お金に関してもそうです。 どういう事かと言うと、紙幣を手にしても、透かして見たりして本物かどうか確認しなくなったのです。このことだけでも日本は良い国だということが分かるでしょう?

アメリカだとこうは行きません。中国だともっといけない。上海では流通している紙幣の「何割」が偽物かと考えてしまいます(広州だともっとひどいかも知れない)。 中国政府が「厳格に法律に基づいて死刑を執行する」と言うなら、偽札くらいちゃんと取り締まって欲しい(私は死刑廃止論者じゃないですよ)。

昨日、「クレジットスコア(Credit Score)」について質問を受けました。
性善説で国が成り立っている日本では馴染みが薄いですね。

クレジットスコアは、借金をしてそれをきちんと期限に遅れない様に返済をするということで積み上げられる個人の信用度を数値化したものです。 基本的に他人を信用しないアメリカには様々な信用調査機関があります。こういった信用調査機関の中にクレジットスコアを算出している会社がいくつかあるのです。

クレジットスコアは、アパートを借りたり、クレジットカードを申し込んだり、住宅や車のローンを申し込んだりすると必ず調べられることになります。 アメリカに行ったばかりの人は、アメリカでのクレジットカードの実績、つまり、クレジットスコアがないので非常に困ります。 そこで、日本企業の駐在員は、自分の働く会社に保証してもらったり、日系の銀行にクレジットカードを作ってもらうことになるのです。

公開されていないので自分のスコアはよくわかりません。そこで、多くのスコア提供業者が存在しています。 彼らは、個人情報を集めることを目的としています。無料にひかれて登録してしまうと、個人情報をどこかに売り飛ばされて色んなところからダイレクトメールやEメールが殺到することになるのです。

以前、息子のアパートの保証人になった時、マンハッタンの不動産屋のオニイチャンから「あなたみたいに綺麗なCREDIT HISTORYの人は初めて見た!」と言われました。私のほうも「Oh, Yeah! I’m so beautiful!」と答えました。20年間、クレジットカードの支払をちゃんとやっていただけです。日本では、クレジットカードを使って買い物をしたら支払いをするのは当たり前ですが、アメリカでは必ずしもそうではないのです。

日本人は、頭金にあたる10~20%のお金が手元にないと住宅のような大きな買物はしないのが普通です。しかし、アメリカ人は定期収入があると、手元にお金がなくても分不相応な買い物をするのです。住宅ローンだって、通常は住宅価格の2~3%の頭金で組んでしまいます。中国人は、アメリカ人よりも過激ですよ。

日本人のお金に関する感覚は、アメリカ人や中国人とは随分と違います。中国の若者の金銭感覚は、機会があればもっと詳しくお伝えします(弊社 ibg 上海には20代の中国人の若者が30名以上います。今週からインターンとして3名の大学生も入ってきました)。

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4 件のコメント:

  1. >アメリカ人は定期収入があると、手元にお金がなくても分不相応な買い物をするのです。

    お久しぶりです。本当にそうですね。サバーブに行くと、日本では豪邸サイズの家、ガラージには、2~3台の車のほかにもボートやら、なにやら。。。

    借金がないのは我が家だけ?って思ってしまいます。

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  2. クレジットヒストリーは、住宅ローンの金利にも影響しますね。貸す側のリスク管理から見れば、合理的なやり方と思います。アメリカは、個人の借金も多いのでしょうが、資産の流動性も高いですね。金持ちの一部は金を買って、ドルの万一の時にに備えているようです。

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  3. 以前、同僚が頭金ナシの60回ローンで車を買いましたが、年配の上司から「半分は現金で払えないと、買う資格ないぞ。」と言われていました。

    米国ではサブプライム問題などありましたが、所得がなく、仕事も資産もなくても借りられる「NINJAローン」というすさまじいものがあったそうですね。どうやって取り立てるんだろう??

    日本の闇金ですら無条件で貸し出すお金の上限は5万円らしいです。しかも、債務者が自治体から借りることのできる「生活福祉金」が5万円だからだそうです。

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  4. 今回アメリカで問題を起こしたローンは、住宅が抵当になっていて、その住宅価格の推移をケースシーラー指数でで見ると、2008年の価格崩壊まで下がった事が無いのです。この統計の事実を計算にいれれば、抵当価値は下がらないから、誰に貸しても元本割れをしないので損は出ないと言う事になります。
    この手のローンの中には、最初の5年間の返済は金利の一部を払うだけの低価格にして、6年後以降に返済額が爆発的に高くなる物がありました。借りる側は、5年以内に物件を売って値上がり分を利益にしようとしていました。今回の問題は、貸す側と借りる側の両者の思惑が外れ、さらに厄介な事にそのローンが証券化され、コントロール出来ない範囲に分散されてしまった事です。私は、アメリカの金融業界は新しい手法と商品を開発し、利潤の追求を続けると思います。

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