2022年8月29日月曜日

レベルセッティング ~ 「概念」の理解は正しいか?

 
キスの昆布〆とアジ (奈良 つる由)

関東と関西では水も違うし出汁も異なります。関西は昆布が出汁の主流です。

      鱧の吸い物(奈良 つる由)


論理を記述したりプレゼンする前に「概念」(物事の何たるか)の提示が大事です。実は、それがレベルセッティングでもあるからです。レベルセッティングとは、会議に集まった人たちの考えていること、思っていることにずれがないかを確認、食い違いがひどい場合、調整する。これをレベルセッティングといいます。

日本では「概念」の提示がないばかりか、あっても「概念」の理解が間違っている場合が多々あります。「概念」は外来語になると目も当てられないのです。日本のテレビを観れば観るほど「概念」の理解が無茶苦茶になります(意図的にカタカナ語でけむに巻くコメンテーターもいます)。

ibgのポストコロナの羅針盤である『迷子になる地図』は、実はこの「概念」の埋め込み(仕入れ)の方法論でもあるのです。深く考えるとは「概念」を理解し、自分の引き出しに入れることを習慣化することです。

日本社会や日本人の組織はレベルセッティングされていると思い込んでいる。多様性が重視されるとはいえ、同じ目的のもと同じ仕事に取り組むためには共同主観の形成が重要となります。これから益々必要なことは、レベルセッティングされていないという認識の下に対話を始めることです。若い頃から「概念」の埋め込みを日常化しレベルセッティングを習慣化しないと、世界とは対話にならないでしょう。

夏野菜の煮もの(奈良 つる由)


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2022年8月23日火曜日

空気の支配が続く

山本七平さんの著書は10代の頃から読み始め、アメリカで仕事をしていた1990年代は「how to do with the Japanese」というテーマで、上のような資料を作成しアメリカ人の同僚たちに日本や日本人を説明したものです。

コロナ禍、ウクライナ紛争、安倍元首相暗殺以来の統一教会に関する報道 等々を見ていると、日本の思考停止は停止どころか、私の10代、つまり半世紀前よりも酷くなり、停止ではなく泥沼に沈み先の大戦の大本営発表の様相を呈しています。

アメリカ政治は宗教から切り離すことができません。そもそもアメリカという国がイギリス国教会から離脱した新しい宗教国家なのです。大統領選の熱狂的なキャンペーンを観ればよく理解できます。テレビ伝道といわれる宗教テレビを巨大スタジアムレベルまでスケールアップしたものが大統領選のキャンペーンなのです。

日本の場合、比較的善良な一般市民って国民の大部分を占めていると思います。そして宗教色は極めて薄いのです。統一教会にしても幸福実現党にしてもメディアが煽るほどの影響力なんてないのです(創価学会レベルだと別ですが)。日本国憲法が大好きなリベラル派のメディアやコメンテーターの人たちはここまで詐欺まがいに捏造した状況をどう収拾をつけようとしているのでしょう? 人の噂も75日か?

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2022年8月16日火曜日

迷子になる地図

 

日本の教育は、評価基準が偏っているのに学校で序列をつける。学校だけにとどまらず会社にも序列をつける。しかし実際は長期的な余裕や無駄がないと人は育たないのです(degree of freedom や誤差が必要)。結果、社会も成長しないということです。それが今の日本なのです。どうも学校は変わりそうもない。だったら自分で変えて行くしかないでしょう。人生は一度、不可逆的ですから。


生産性至上主義の日本は150年思考停止していたのかも知れない(少なくとも思考が偏っていた)。日本人がコロナ禍から学ぶことができる教訓はいっぱいあります。そつなくこなしていたら経験から学ぶことはできない。Risk taker じゃない。だから、Change maker にはなれない。可能性ゼロ、自由度ゼロ、誤差ゼロ、迷子の可能性ゼロの社会は生きていてつまらんでしょう。高齢者になって町内会運営にサラリーマン時代の栄光を求める老後は滑稽で悲しくないですか?

今の日本はロールモデルがいない。財界にも政界にも学界にも近所にも、子供たち(小学生から40代まで)が目標とできる大人が存在しない。「憧れ」がないとスキルをパクろうとはしない。興味や関心は強制できないものです。興味や関心のあるものを見つけられずにいる方がいらしたら(小学生から高齢者まで)、我々と一緒に迷子になってみませんか? 

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2022年8月9日火曜日

フーテンの寅さんがいなくなった


アメリカ没落の原因の一つはアメリカのアイデンティティの崩壊です。

サミュエル・ハンティントン(アメリカの国際政治学者)は1990年代の半ばに、アメリカは将来的にプロテスタントの倫理観念とアングロサクソンの政治文化を失い国家としてのアイデンティティが無くなると予言しています。日本のアイデンティティを喪失させることに成功したアメリカは70~90年後に自らのアイデンティティを失うこととなる、、、何という皮肉か!

寅さんの口上はアイデンティティの確認作業です。フーテンで全国をフラフラしている寅さんでも、葛飾柴又に家族や時間を共有した昔からの隣人たちがいる。つまり、アイデンティティを持っているからフラフラできるのです。

1970年代の中ごろまでは、日本でも評論家や大学の先生たちが日本のアイデンティティ喪失の危機感を盛んに議論していました。ところが、いまやそんなこと問題にしている知性はどこにもいませんね。知性の崩壊、これもアメリカと同じ道を歩んでいます。

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2022年8月7日日曜日

核戦争犯罪の実行犯は誰か?

 
https://www.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/special/warmuseum/02/?fbclid=IwAR2uHFO1Oq6tFHF5E7n11sJWGIEiWZikWx1QXOGFBccytI9tzW8YBaQZ_0w 原爆は世界のあり方を根本から変えた(NHK News)

広島・長崎は自然災害じゃない。落ちたのではなく落とされた。だったらなぜ落とされたのか?現代史を正確に語るには、戦後レジームからの脱却(日本の独立)が必要だったのだが、、、。

アメリカが急先鋒をなす近代国家(主義)は、分子は要らないというアトミズム(原子論)で成り立っています。とどのつまりが広島と長崎でした(アトミックボム)。

人は独りでは生きられないし死ねない。個人・家族・社会が支え合うバランスで成り立っている。原子ではなく分子の世界です。そしてそれが日本の伝統でした。77年経った今、明治維新から数えると150年、日本人は未だに判らないようですね。

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2022年7月19日火曜日

安倍さんの死 4

 

ibg のランチでクリント・イーストウッドの『ミリオンダラーベイビー』(2004年)の話になりました。安倍さんの著書『美しい国へ』(2006年)の中で安倍さんがこの映画のことを書いているので、安倍さんの本の話から映画の話題になりました。

『ミリオンダラーベイビー』は「安楽死」を題材として、近代(モダン)主義からポストモダンへの転換をテーマにしていると思います。近代合理主義は根底に全ての個人の生命への「生きる権利」に絶対的価値を置き「死の権利」を無視してきた。非常に利己的になった。

私の想像ですが、イーストウッドは自分の年齢からか、死を意識して人の一生とか幸福とかを考えたのだろうと思います。アメリカが混迷し(余裕をなくし)、この映画が製作された20年前はすでに利己主義者と 0.1%の大金持ちによって占領されてしまった。イーストウッドが愛した旧き良きアメリカは行き過ぎた近代化(文明化)よってズタズタにされた。

超近代主義のアメリカが行きついた先は果たして人にとって幸せか? どうなのよ? 自分は? といった疑問で、イーストウッドの頭の中がいっぱいになっていたのかも知れません。もしも死ぬことが幸せならば、死ぬことも個人の幸福追求(の権利)ではないかと(すなわち安楽死)、、、。銃規制と同じでアメリカが抱える矛盾ですね。

今の日本って30~40年前のアメリカのように思うのです。欧米の一部は直近の四半世紀、過度な近代化やグローバリゼーションを見直そうとしている(そうじゃない人もいっぱいいますが、、、)。アメリカに住んで仲の良いアメリカ人の友人たちと接して感じたのは、アメリカは個人主義の国で近代合理主義で個と集団(公)を割り切っているようで、合理的な面はもちろんあるのですが、実は伝統的な彼らの家族主義も備えているということです。個人の意見はあるけど、じつはそれを尊重する家族や仲間がいるのです(共同主観に立つ)。私が親しくなったアメリカ人はだいたいそんな感じでした。

世界のリーダー達が安倍さんの死に哀悼の意を捧げたのは、今の混迷の世界の中で日本の伝統や文化が一番まともで羨ましく思っているからじゃないのか? ところが、一部の日本人だけが深く考えず安倍さんのことも犬死させるのでしょうか?

日本は高齢化が超高齢化になり、生と死の境の問題がますます大きくなっています。日本人は日本人の死生観を確認する時だと思います。安楽死というのは近代主義や近代国家の思想では解決できないものです。アメリカという実験国家は近代主義の最先端を走ってきた。日本には日本人の死に方(死生観)があったはずです。それはケースバイケースのあうんの呼吸なのかも知れない(安楽死と言えるものも含めて)。ところが、いまは病院に放り込めば家族は自分の手を離れたとホッとしてしまう。生と死の間がなくなった。世界の知性はそのことに気づいている。

安倍さんがご自身の著書で映画『ミリオンダラーベイビー』を取り上げたのは、もしかしたら、以上のようなことを意識していたのかも知れませんね。

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2022年7月18日月曜日

安倍さんの死 3

 
下は7年前の小林秀雄に関する記事です。

小林秀雄は一歩一歩前に踏み出す一貫性のある生き方を論じていました(『私の人生観』)。自分の足元を見る。足元にある伝統(日本人の生き方)を自覚する。伝統に従い信じる。それは右翼にも左翼にも媚びない生き方です。

アメリカにも中国にも媚びない自立した国家。日本国民の60~70%は自分の直観に従って共感し、弔意を表し涙したのだろうと私は信じたい。

小林秀雄の「戦後」 論説委員・福島敏雄


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