2025年5月30日金曜日

アイデンティティの崩壊 ~ アメリカの有名大学を考える

トランプのハーバード攻撃の記事やコメンテーターの意見は首をかしげるものが多い。反知性主義の理解が浅すぎるのではないでしょうか?

いくつか大事なことがあります。最初は、アメリカは平等を求めてイギリスから逃げてきた人たちが作った国であることです。だから平等という価値観が非常に強い。

2つ目は、反知性主義というのは知性の欠落を言っているのではなく、知性の権威で不当に利益を上げていないか(知性と権力・金の結びつき)をチェックしようという主義のことです。  

3つ目を挙げるとすると、リーダーとは自分の知性と権威に対して常に自己反省が出来るか否や(integrity)がポイントなのです。だとすると、今のアメリカはすでに原点に戻るのが不可能なくらい壊れてしまっている。 

そもそも北京のエリート校である清華大学はアメリカの支援で開学した経緯があり、今はどうだか知りませんが、30年ほど前は清華大学の理事会はほとんどが IBM のようなアメリカ大企業の経営者でした。そしてアメリカに留学生を送り込むような予備校のような役割を果たしていたのです。若い時の環境は人の人格形成を大きく左右します。だとすると、真理(veritas)を校章に掲げるハーバードの理念も原点に立ち戻る必要があるのかもしれません。  

日本は伝統や独自文化がしっかりした国のはずです。しかし、大学や大学の先生からはじまるアイデンティティ崩壊の様相はアメリカの後を追いかけているようです。   

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