2012年10月15日月曜日

思索の散歩者


久しぶりに早朝から三鷹車両センターのあたりを歩いて来ました。 やっと散歩ができる気温になりました。 上の写真は、太宰治が愛したと言われる三鷹跨線橋を西のほうから望んだものです。 うろこ雲なのか、いわし雲なのか、さば雲なのか、何せ雲の知識がないので、秋の雲としか言いようがありません。

大学三年生は、そろそろ就職活動が本格的に始まると思いますが、太宰治が32歳の時(1940年)、慶應の学生さんのリクエストに応えて慶應の新聞に掲載した『心の王者』という文章があります。  太宰は一般のイメージとは違って前向きな人であったことが分かるかと思います。

思索の散歩者ってうまいこといいますね、さすが。

「学生とは、社会のどの部分にも属しているものではありません。また、属してはならないものであると考えます。学生とは本来、青いマントを羽織ったチャイルド・ハロルドでなければならぬと、私は頑迷にも信じている者であります。学生は思索の散歩者であります。青空の雲であります編輯者に成りきってはいけない。役人に成りきってはいけない。学者になりきってさえいけない。老成の社会人になりきることは学生にとって、恐ろしい堕落であります。学生自らの罪ではないのでしょう。きっと誰かに、そう仕向けられているのでしょう。だから私は不憫だと言うのであります」 (『心の王者』太宰治 )。

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