2013年3月8日金曜日

ゆうべ不思議な夢は見なかったが、、、

台湾ビールは美味い、変わらない味です。これも日本占領のなごり。

台湾に来ているのに、夏目漱石の「ゆうべ不思議な夢を見た」で始まる『夢十夜』です。

その「夢八夜」が突然気になったので、読み返してみました。 床屋で鏡の前に座っていると、鏡に床屋の前の通りが映り、様々な人が通り過ぎてゆくのが見える、そして、自分も同じ鏡の中に映っている。 場面設定がいいですね。でも、どう解釈したらいいのか難しい。たぶん、文芸評論家などの解説は山ほどあるのでしょう。

私は独自の解釈をします。今の日本人にこそ大切なことを言っているのかも知れません。

世間の無常、要するに、世の中の流れの中に埋没して自分を見失って押し流されてはいけませんよと言いたいのかも知れません。 鏡に映る往来が世の中の流れ、そして、同じ鏡に自分が映っている。自分の顔を見て、時代に流されない強い精神力を確認したのか? それとも、散髪を終え外に出て、いつまでも変わらない金魚売を見て力強く思ったのか?

ちょっと、解釈に無理がありますな、、、、。

「そうして金魚売がその後にいた。金魚売は自分の前に並べた金魚を見つめたまま、頬杖を突いて、じっとしている。騒がしい往来の活動にはほとんど心を留めていない。自分はしばらく立ってこの金魚売を眺めていた。けれども自分が眺めている間、金魚売はちっとも動かなかった」 『夢十夜』 夏目漱石 1908

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