2014年5月16日金曜日

時代小説で学べること

『鎌倉河岸捕物控』と『酔いどれ小籐次留書』 シリーズ全巻

今から何十年も前、池波正太郎の時代小説に夢中になった時期がありました。 池波さんの小説はシリーズを通して出てくる登場人物が魅力的で、江戸時代の庶民の生活が生き生きと描かれています。 そして、池波さんの美意識が、小説の至る所に散りばめられています。

池波さん以降、もう何十年も時代小説から遠ざかっていたのですが、佐伯泰英という作家に出会いました。 佐伯さんの作品は構成が非常に良く考えられたエンターテイメントです。 池波さん同様に登場人物が魅力的で個性的です。 最近(平成)の創作なので、池波さんの時代小説とほぼ同じ時期の江戸が舞台になっているにもかかわらず、現代の様々な社会問題も江戸にタイムスリップさせて描かれています。 例えば、アルツハイマーになった老人を長屋のみんなで協力して面倒を看るとか(コミュニティのセイフティ―ネット)。 

『鎌倉河岸捕物控』というシリーズがあります。 学生さんや若いビジネスパーソンにお薦めです。

十手持ちの宗五郎親分と親分の下にあつまる多くの手先が大小さまざまな事件を解決していく物語です。 経験豊かな大人でリーダーである宗五郎親分が、若い手先をよく観察しながら一人一人の技術や個性を生かしながら人材を育成して行くのです。 宗五郎親分は決してスーパーヒーローではないのですが、思慮深いユーモアのセンスがある大人のリーダーなのです。 若い悩み多き手下たちの青春グラフィティと、それを見守る宗五郎親分や老舗の酒問屋「豊島屋」の主人である清蔵さんたち大人との掛け合いも参考になると思います。

エンパワーメント、コーチング/カウンセリング、リーダーシップ、、、、MBAで教わるようなことがいっぱい出てきますよ。

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