2015年9月14日月曜日

礼儀のない社会


「国家存続の要件は礼儀である」と言ったのは荀子(中国戦国時代の思想家)です。

今の日本は卑怯で臆病で、更に、礼儀がなくなったと思うことが多々あります。 荀子は「集団がうまく機能するためには、規律・秩序が確立していなければならない。 それは礼儀によってこそ可能となる」と言っています。 また、「集団を構成し社会を営む能力をもつところに、人間のもつ他の動物とは違った優秀性がある」とも言っています。 


これは、明治19年に福沢諭吉が「教育の要点は、人生を豊かにし、あらゆる心身の能力を鍛錬し、鳥や獣の世界から出来る限り遠いところに進歩させることである」と言っていることと同じです。 つまり、人間の賢いか愚かかは、鳥や獣からの距離の遠近にあるというのです。

色々と問題はありましたが、これまでの日本の良さと言うのは、幾ばくか礼儀があったことだと思います。


先週のことです。

総武線やメトロ東西線が乗り入れて始発駅となるJR三鷹駅では「整列­乗車・一端ドア閉め」を行っています。 最近ではラッシュ時に電車に乗ることはほぼないのですが、先週は混雑する時間帯に三鷹から四ッ谷まで行くことになりました。 中央線快速は混雑するので、時間に余裕のある私はいつも各駅停車の総武線です。

乗車客は3列に並び、1本後の始発電車を待つ客はその左に3列に並び、2本後の始発電車を­待つ客はさらにその左に3列に並びます。 到着した折り返し電車のドアが開いても、駅員や車掌が全員の降車を確認するまで乗車す­ることができません。 再度ドアが開くと待っていた客が斜め前方のドアに進み、いっせいに乗り込み、醜い席の争奪戦が始まります。 そして­後の始発電車を待つ人の列が右に移動するのです。

私は前から2番目、左には手押し車を支えに立っているおばあさんがいました。 電車が滑り込み、ドアが開き一端ドア閉めが終わりドアが開きます。 一斉に3列に並んだ乗車客が斜め前のドアに進みます。 私はおばあさんの様子をみて、必要であれば手伝ってあげようと思っていたので席の争奪戦のことは考えていませんでした。 すると、私の後ろの若い女性がスマホを片手に後ろから私を押しのけ前に出て、おばあさんには全く無関心に車内に飛び込み席に座りました。 おばあさんは手押し車を電車に乗せることに苦労しているので、私は手伝ってあげたのですが、周りの人たちは誰も関心を示さなかった。 スマホの女性は席に座ってスマホの画面にくぎ付けです。

本日の結論ですが、日本も、人間の本性は悪であるという「性悪説」をベースに、教育を含む様々な仕組みを変更する時かも知れません。

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