2014年8月13日水曜日

誤解を生むテレビ番組

今年のibgのインターン(半年が経ちました)

中国の現状を知らずに、こういった安易な番組作りはやめていただきたい(NHK「中国人学生の心をつかめ~激化するエリート獲得競争~」)。 悲劇が生まれます。

中国の教育システムは、日本の受験を何倍も激しくしたものです。 小中高と情操教育が欠落しています。 中学3年間で高校の教科を終え、高校の3年間は全て受験勉強にあてられます。 体育や美術・工芸の類の教科はありません。当然、部活動なんて、受験に関係ないものはないのです。

成績優秀な子供たちは、仕事観、人生観、死生観といったもので悩む暇なく社会人になって行きます。 彼らの両親の世代(50歳前後)からそうなのです。 だから、親が子を諭すことは期待できません。 中国の教育システムは、自分だけ、お金だけ、今だけ、口だけの大人を育成する根本的な原因になっていると思います。

ibg 上海は、毎年100名ほどの大学生をインタビューして、5~6名のインターンを採用します。正式採用が前提となる有給のインターンシップです。インターンシップは一年間ですが、だいたい半分がドロップアウトします。彼等にしても、家に帰ると、我々 ibg の考え方は両親に否定されるそうです。 
わが社の最大のチャレンジは、自分だけじゃない、お金だけじゃない、今だけじゃない、口だけじゃない人材の育成です。

中国の若者は、ある意味では日本の若者よりもナイーブです。 両親も含めて、中国の社会体制の中でもがき苦しんでいる。 エリートの人物像も日本とはかなり違っているのです。 
公共の放送は、もう少し多角的な視点から番組製作を考えてほしいと思います。

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2014730日(水)NHK 
中国人学生の心をつかめ~激化するエリート獲得競争~








今月、中国から成績優秀な高校生80人が来日し、日本の最先端の科学技術を見学した。JST・科学技術振興機構が始めた交流事業で、中国のエリート学生を 将来的に日本の大学に呼び込むのがねらい。少子化・理科離れに悩む日本の理科系大学は、科学技術大国となりつつある中国の留学生たちを求めているが、彼ら の多くがアメリカを目指していて、日本への関心は薄いのが実情。激化するエリート学生獲得競争の中で、あの手この手で中国の高校生たちにアプローチする日本の取り組みを紹介する。出演:角南篤(政策研究大学院大学教授)

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