2013年12月16日月曜日

谷島さんの著書 ~ 我々は適応異常に陥っている

『ソフトを他人に作らせる日本、自分で作る米国~「経営と技術」から見た近代化の諸問題』

先日、W大学のOさんと、日経BP社の谷島さんに会ってきました。 上の本を12月に出版されるそうです。 早速、読ませてもらいました。 私は若い人に「第2章」を読んでもらいたいですね。 夏目漱石や福田恒存、そして、吉田満さんまで登場します。

「個人の弱さ」、「立体感、距離感が乏しい日本人」は、まさに的を射ています。 福田恒存もどこかで書いていたと思いますが(40年程前)、自分の立ち位置が理解できていない。 特に、スマホやゲームが発達した現代では、他者に興味がないから、他者との距離感、自分の立ち位置なんてどうでもいいのでしょう。

学生さんたちには嫌われる発言ですが、あえて言わせてもらうと、どうも最近は「美意識」に欠ける人が多いように思います。 自分自身の美的感覚が弱い。 自己本位でない、自分の物差しがない、つまり、自分自身に対するイニシアチブ(initiative)と決断力(determination)がないという印象があります。 ついでに、夏目漱石のようなユーモアのセンス(sense of humor)も、、、。

谷島さんの本と夏目漱石を読むと、漱石が明治の末期に訴えたかった自己本位ということが、何となく分かると思います。 また、「我々は適応異常に陥っている」のは、明治だけではなく、福田恒存が考えた敗戦後の昭和も同じ、そして、平成25年の今でも同じだった訳です。 大きな問題は、今の日本に漱石や福田恒存のような知性の存在がないということでしょう。 学生さんに期待です!














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