2016年12月21日水曜日

和して同ぜず

改札へ続く列 @ 夜のJR三鷹駅

 君子和而不同,小人同而不和
(君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず)

先が読めない2017年になろうとしています。

孔子さまのいう「和して同ぜず」ということが益々重要度を増してくるのでしょう。 しかし、困ったことにそれが日本人の最大の弱点であることに気づいている人は少ないような気がします。

「和する」というのは、人と交わることです。ベタベタすることでなく互いに協力するという事です。「同ぜず」というのは自律しているということです。 つまり、個人のアイデンティティ(個人の規範)が明確になっていることです。 この両方がなくては、個性を育てることはできないと言ったのは小林秀雄です。

小林秀雄によると、「和して社会的なものを持たなければ個性的なものは生まれない。 他人に心から協力しようとする気の無い人は、自分に対してだって協力ができないから、自己統一の力がないことになる。だから、利己主義という自己防衛の形になって現れてしまう」ということです。

世界中で、他者への信頼がなくなり、無私な行動が見うけられなくなった。 物事の本質が見えていないからでしょう。 一億総活躍(Dynamic Engagement of All Citizens)社会の中で自律したキャリアを考えることは賛成です。だが、大前提となる「和して同ぜず」は中高年になってからでは手遅れだと思います。

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