2014年2月13日木曜日

初めて買ったギター


45年前、私が生まれて初めて買ったギターです。

何十年ものあいだ、実家で埃まみれなっていたものです。 昨日、タオルで拭いて新しい弦を張りました。 

このギターを買ったころ、ギターの選択肢は殆どありませんでした。 近所の楽器屋には3~4本のクラシックギターと数本のフォークギターがあっただけです。 私はベンチャーズ、タイガース、ビートルズ などの音楽を聴いていたのですが、「ギターと言えば『禁じられた遊び』から」という先入観があり、迷わずにクラシックギターを購入しました。 

ドレミファの後は『禁じられた遊び』です。 同時に新興音楽出版社の『ザ・ビートルズ 80』という楽譜を買ってきました。 ギターコードが書いてあるだけで、苦労して図のように押さえても、ビートルズの音とは似ても似つかない。 

当時は、タブ譜(通常の楽譜をギター用にアレンジしたもので、楽譜が読めない人でも簡単にギター上で理解できるようになっているもの)なんてないし、どの指でどの弦を押さえるかさえ分からなかったのです。 このギターを弾いているうちは『禁じられた遊び』以外の曲を弾けるようにはならなかったように思います。 

今であれば、お茶ノ水の楽器屋街に行けば、あらゆる種類のギターが展示されていて、どれを買えばいいのか迷ってしまいます。 タブ譜も充実しているし、教則本はDVDで映像付きです。YouTubeでは世界中の教えたい人たちが無料でレッスンしてくれます。 

若いころ、豊かさとは選択肢が多いことだと思っていました。 

ようやく分かってきたのですが、どれだけ選択肢が多くても豊かとは言えないのです。 選択肢がありすぎて、自分で工夫したり考えることを省略しちゃいます。 これ以上社会に選択肢の多様化を求めてどうするんでしょう。 日本より海外のほうが選択肢が多いからグローバル人材を目指すのですか? 際限のない物質的な豊かさを追求してジタバタするよりも、日々の精神の充実を感じるほうが、豊かな人生だと思います。 

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