日本人は「どう生きていけばよいのか?」を考えてこなかった。日本精神を考えるタイミングは直近30年いくつもあった。阪神淡路大震災、オーム真理教テロ、東日本大震災、御嶽山噴火、熊本地震 等々。令和6年、今回は日本人にとって特別な元旦の団欒を打ち砕く大きな地震が発災した。
『平家物語』も『方丈記』も鎌倉時代でした。人間は生と死の中間にあって、常に死に向かって不可逆的に変化しています(無常)、そして、自然は繰り返す、つまり循環的変化なのです。平安から鎌倉時代の日本人は循環的変化の中での人間の生き様を認識していた。
世は無常です。人生も無常です。だからお釈迦様は「ただ今日なすべきことを熱心になせ、誰か明日の死のあることを知らん」を言われました(『一夜賢者の偈(げ)』)。ラテン語の Carpe diem(Seize the day)と同じ事なのです。
一夜賢者の偈(一日賢者の詩):今日一日は賢者として生きようではないか!
過ぎ去れるを追うことなかれ。
いまだ来らざるを念(おも)うことなかれ。
過去、そはすでに捨てられたり。
未来、そはいまだ到らざるなり。
されば、ただ現在するところのものを、
そのところにおいてよく観察すべし。
揺らぐことなく、動ずることなく、
そを見きわめ、そを実践すべし。
ただ今日まさに作(な)すべきことを熱心になせ(後略)
増谷文雄訳
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