何年、否、何十年ぶりかでカマキリに遭遇しました
蟷螂の さりとては又 推参な 夏目漱石
中国語でカマキリは蟷螂(タンラン)といいます。 日本でも昔は「蟷螂(とうろう)」と言いました。「推参」というのは、「出過ぎた無礼な奴だ」という意味です。
漱石は、カマキリを題材にした句をいくつか詠んでいます。 ユーモア精神に溢れる漱石にとって、カマキリというのはイジリ易いのでしょうね。 カマキリを見て、人間や国家の行為に例えるなんて、漱石にしかできません。否、日本語にしかできないでしょう。
カマキリだけでなく、漱石は「推参」という言葉が好きなのかも知れません。 『吾輩は猫である』に、「是は推参な奴だ、人の運動の妨(さまたげ)をする」というのがあります。 漱石は、中身を伴わず形式だけを西欧列強のマネばかりする田舎者の日本人や日本という国家を、「推参な奴」と揶揄したのだと思います。
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