2013年6月10日月曜日

堕落しろ!


チャーリーの、又、子犬の正しい姿とは何ぞや。

欲するところを素直に欲し、厭な物を厭だと言う、要はただそれだけのことだ。好きなものを好きだという、大義名分だの、不義は御法度だの、義理人情というニセの着物をぬぎさり、赤裸々な心ではないか。 この赤裸々な姿を突きとめ見つめていることがチャーリーの犬性だ。

このチャーリーの姿に倣うことが、先ず、日本人の復活の第一の条件ではないか? そこから日本や日本人の、真実の誕生と、その発足が始められる。

日本国民諸君、私は諸君に、日本人及び日本自体の堕落を叫ぶ。日本及び日本人は堕落しなければならぬと叫ぶ。   

坂口安吾 2013年。

坂口安吾が『堕落論』、『続堕落論』を発表したのは敗戦直後の1946年。 レベルが高すぎて、アメリカ占領軍の検閲の目をかいくぐったのでしょうか? 

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