2015年8月5日水曜日

学生諸君、安保を語る前に夏目漱石の『坊ちゃん』を読もう!

ツイッターやfacebook で集まった渋谷の高校生デモ(毎日新聞)

夏目漱石の『坊ちゃん』は卑怯なことが大嫌いな人間です。

初めて教壇に立った時に以下のように言っています(第三章)。

「先生と呼ぶのと、呼ばれるのは雲泥の差だ。何だか足の裏がむずむずする。おれは卑怯な人間ではない。臆病な男でもないが、惜しい事に胆力が欠けている」。

『坊ちゃん』に出てくる数学教師の山嵐は会津出身です。会津藩の「什の掟」の四番目は「卑怯な振舞をしてはなりませぬ」です。紆余曲折を経て、坊ちゃんは山嵐と親友になります。それは、卑怯や臆病を嫌う共通項があったからです。赤シャツや野だいこという卑怯で臆病な人間に立ち向かったのです。

物語の最初のほう(第一章)に坊ちゃんが兄と将棋をして、兄が卑怯な持ち駒をしたことを書いています。坊ちゃんは、勝敗よりも正々堂々としていることを重んじたのです。

「兄は実業家になるとか云ってしきりに英語を勉強していた。元来女のような性分で、ずるいから、仲がよくなかった。十日に一遍ぐらいの割で喧嘩をしていた。ある時将棋をさしたら卑怯な待駒をして、人が困ると嬉しそうに冷やかした。あんまり腹が立ったから、手に在った飛車を眉間へ擲きつけてやった。眉間が割れて少々血が出た。兄がおやじに言付けた。おやじがおれを勘当すると言い出した」。

国会議事堂前でデモをやっている団塊世代の人たちや、渋谷に集まった高校生たちは、夏目漱石の『坊ちゃん』を読んだことがあるのでしょうか? 本来、日本人の美徳って、勝っても負けても正々堂々としていることであり、困っている人がいれば助けるというものじゃなかったですか? (世界の中で日本という島国だけが平和で有り続けるなんてないということです)。

夏休みで暇だということは分かります。でも、戦争のことを何一つ真剣に調べることもせず、炎天下でよく分からないスローガンを声高に叫ぶより、クーラーの効いた図書館で夏目漱石でも読んでみては如何でしょう。

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2 件のコメント:

  1. 同感です。
    しかし、デモのスローガンやリベラル系メディアの論調は、馬鹿げた飛躍をしていて、スーパーで料理をするために包丁を買おうとする人に、「殺人に繋がるから買うな」と言っているようです。

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  2. コメント有難うございます。 日本の8月は嫌いですが、今年は特に酷い。アメリカもいい加減な国だと思いますが、毎年夏になると日本の幼稚さが本当に気になります(多くはメディアと一部の人たちなのでしょうが、、、、)。

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