全く忘れていたのですが、1年以上前に図書館で予約した本が利用可能になったので 、早速取りに行って読んでみました。
木村久邇典著 『 男としての人生 - 山本周五郎のヒーローたち 』という本で、今では絶版となっています。 俳優の高倉健さんがお 気に入りの一冊として持ち歩いているということで、 中古でも数万円のプレミアムがついている本です。
かなりワクワクと期待していたのですが、 山本周五郎作品からの抜粋が、全体の大部分を占めるという構成で、かなり ガッカリしました。しかし、 高倉健という役者の生き方は何となく分かったような気がしました 。
高倉健さんは、第一の人生である実の人生以外に、映画の中で、 第二、第三、第四、、、の人生を生きて来ました。 映画の中の人生のほうを全面に出して、 より実存感を持って自分のイメージをブランド・マネージしてきたのでしょう。 観 衆からすると、 映画の高倉健さんを高倉さんとして見るわけですが、 高倉さんご本人にしたら、 実人生と役との間の距離感を楽しんで来たのかも知れません。
山本周五郎という作家は、 小説の主人公を通じて自分の実人生と小説の中の虚構の主人公との ギャップを楽しんでいたのだろうと思います。 小説の主人公を通して自分の人生のVISIONを語ったのかも知 れません。
高倉健さんが『男としての人生 - 山本周五郎のヒーローたち 』を愛読書としたのは、高倉さんの映画に対する姿勢と、 山本周五郎の小説に対する姿勢が一致していたからではないでしょ うか? 『男としての人生 - 山本周五郎のヒーローたち 』 という本に感動して持ち歩いていたというのではないと 思います。
高倉健さんが『男としての人生 - 山本周五郎のヒーローたち 』を愛読書としたのは、高倉さんの映画に対する姿勢と、
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