2011年11月14日月曜日

フォールバック・プラン

東京国立博物館の庭園

フォールバック・プラン(Fallback Plan)について少々。

フォールバック・プランというのは、問題が起こった場合、代替となる機能に切り替えることです。 悪条件下でもオペレーションを継続するための最低限の状況を設定することです。 All or Nothingじゃない、最低ライン、これだけは死守するというレベルのことです。 日本人は欧米や中国の人たちと違って、100%~120%じゃないと満足しないところがある。 Fallback Planは50%でもいいからオペレーションを止めないで継続するプランのことです。

先が読めない状況では、フォールバック・プランを考えておく必要があります。 世界のリーダーの多くが交代する2012年を前にして、今の世界情勢なんて先が読めません。 オバマさんだっていつまで大統領か分らない(本国と違って日本では人気があるようですが、、、)。 胡錦濤さんの次と言われている習近平だってどんな政策で中国をソフト・ランディングさせようとしているのか想像がつかない。 国際関係なんて賛成か反対かの二者択一で大騒ぎすることじゃないですね。 フォールバック・プランなしに外交交渉に突入するなんて正気の沙汰じゃない。 先の大戦では、時の指導者に冷静なフォールバック・プランなんてなかった。 だから、広島・長崎の原爆投下まで戦争をやめられなかったのではないですか?

世界はこういった日本人の性質をよく承知しています。

交渉には相手があります。相手の出方によってこちら側も臨機応変に戦略を変更しなくてはいけません。 更に相手だって単独でなく複数です(multi-lateral)、つまり、多くの立場がうごめいています。 そういった状況で、100%を目指すのは難しい、即ち80%でも仕方がない状況になるかもしれない、 だから、「完全に止めてしまわない最低線は何なのか」を明確に定義して、交渉に入る前に自分たちの共通認識を確認しておく。 そうでなければ外国との交渉なんかできません。 「飛んで火にいる夏の虫」になっちゃいます。 共通認識の醸成は政府の仕事です。 党の利益が優先するなら中国共産党ですよね。

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