2011年11月3日木曜日

上野の西郷さんは寂しそう


上野の西郷さんは何となく寂しそうです。 東京スカイツリーに人気を奪われたか?

西郷隆盛に思い入れがある訳ではありませんが、西郷さんは気の毒な人だと思います。 明治4年岩倉使節団の一員として欧米に行っていれば、運命は大きく変っていたのでしょう。 一緒に留守組になった連中がよくなかった、山縣有朋や井上馨という公私混同の代表格のような人たちだった。 西南戦争で西郷に自決勧告を送った総指揮官は山縣有朋でした。

西郷さんは言いました。

「みだりに外国の盛大を羨んで、利害損得を論じ、家屋の構造から玩具にいたるまで、いちいち外国の真似をして、贅沢の風潮を生じさせ、財産を浪費すれば、国力は疲弊してしまう。それのみならず、人の心も軽薄に流れ、結局は日本そのものが滅んでしまうだろう」。

夏目漱石は『模倣と独立』の中で、以下のことを言っています。 西郷さんは明治初期、一方、漱石は英国留学を経て大正初期の発言です。

「いくらオリヂナルの人でもイミテーションの分子を何処かに持っている。イミテーションの側に立って考えると、これはどういう人がイミテーターかというと、要するにイミテーターというものは人の真似をする。それだから自分に標準はない。あるいはあっても標準を立て通すだけの強い猛烈な勇気を欠いているか、どっちかなのである。しかしながらインデペンデントの側の方は、自分に一種の目安がある」。

自分に一種の目安があるのかないのか、、、軽薄に流れた日本の運命や如何に?

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