The End of the
American Era
~『アメリカ時代の終焉』 ハッカー 1970年 ~
「平凡な学者が恐れるのは他人から批判されることである。 だから彼らは、決して間違いを指摘されることのないことしかやらなくなるだろう。凡庸な頭脳の持ち主にとっていちばん都合がよいのは、ルールが明示されており、研究に従事するものが全員、規定の手続きに従うような場合である」と。
1970年のアメリカの問題は今のアメリカでも継続しているし、今の日本も急速にそうなりつつあると感じます。
昭和29年 福田恆存のコメント
昭和29年、評論家の福田恆存はアメリカ視察旅行を終え、「アメリカは貧しい」と言いました。 私は2001年8月に14年ぶりに香港、上海、北京を訪問して、「中国は1980年代(特に前半)に比べて貧しくなった」と感じました。それは、物質的な生活がいかに豊かになろうと、精神的な安定は得られないと感じたからです。 「神」や「お天道様」がない中国の物質文明は危険だし、多民族化が行き過ぎ「神」の力が弱まったアメリカは危ない。
精神的なバックボーンが溶けてなくなり「お天道様」が隠れた日本は、福田恆存が憂慮した頃の日本よりも、もっと崖っぷちに立っています。
アダム・スミスは著書の中で、守るべきものは国家であり、国家に支えられた生活の安定、心の平静であると提唱し、お金が全てと考える重商主義を批判しています。 心の平静は「確実なもの」であり、土地(場所)に根ざした経済が一番大切である、つまり、国内における農業や製造業は貿易よりも優先すべきことだと言うのです。
アダム・スミスやアメリカ合衆国建国の精神(republic=共和の精神)から考えると、今のアメリカは全く別物になっていると思います。 トランプがヒラリーに勝つためには「republic」に力点を置くのがいいと思いますが、手遅れですね。
アメリカ大統領選
今回のアメリカ大統領選は、ハッカーの『The End of the American Era』に書かれているような現実(それも、半世紀近く経過して増幅された)が背景としてあります。ヒラリーもメディアをバックにやり過ぎると、トランプを支持している元中間層の白人を全て敵に回し、大統領になったとしても、収拾がつかなくなるでしょう。 彼らの多くは大都市のエリートではなく中西部や南部に住む90~99%です。 メディアは、自分らはヒラリーを支えるエリートだという認識からか、トランプを総攻撃していますが、実は、元中間層である90%を攻撃することになっているのです。
11月8日に全てが決まります。 日本の運命も???
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