『50歳までに「生き生きした老い」を準備する』
ジョージ・E.ヴァイラント 2008年
福沢諭吉は140年ほど前に、「一身独立して一国独立す」(『学問のすすめ』三篇)と説きました。 一身が独立していないということは、個人のアイデンティティ(自分は何者か?)が確立されていないということです。
これは、これから超高齢化社会を迎える日本にとって、極めて憂慮すべきことだと思います。
『50歳までに「生き生きした老い」を準備する』に、「幸せな老いに必要な成人の6つの発達課題」が紹介されています。 6つの発達課題の最初に来るのがアイデンティティです。 すなわち、保護者からの独立という意味で、大人になるということです。
1
|
Identity
|
自我意識の確立、保護者からの独立。
|
2
|
Intimacy
|
親密さ。他者との関係を構築する。
|
3
|
Career Consolidation
|
仕事でのキャリアと人生観の統合。
|
4
|
Generativity
|
次世代に自分が得たものを伝える。
|
5
|
Keeper of the Meaning
|
社会に貢献する。「公」を考える。
|
6
|
Integrity
|
これまでの人生を統合する。
|
以下は本の中で私が共感したポイントです。
- 高齢の友人を失っても、遊びと創造することを学ぶ若い友人を獲得すれば、その人生の喜びは大きくなる。
- 生き生きした老いに必要なのは、能動的であること、主体的であること、ネットワーキングと自己啓発である。
- 幸福な老いの秘訣は、金銭ではなく、むしろ自己管理と愛情である。
- 退職後の4つの基本課題とは、①新しいネットワークをつくる、②遊ぶ、③創造する、④学ぶ。
- いま何を知っているかよりも、新しいことを学ぶ能力が大切。
0 件のコメント:
コメントを投稿