(BBC News より)
1997年の香港返還が発表されたのは1984年です。 当時、北京にいた私は香港人の同僚と仕事をしていました。 香港に行く機会もあり、香港は大好きな「場所」でした。 84年の発表があると、私の同僚たちはカナダやオーストラリア国籍を取得し、国籍を替えた上で香港にもどり、大陸(中華人民共和国国内)で仕事をしていました。 当時の多くのインテリ層がとった行動です。
今回の香港に民主化運動の中心は17歳の学生たち。彼らは香港返還の1997年の生まれで、共産党による大虐殺であるプロレタリア文化大革命は知りません。 また、1989年の天安門事件も全く知らない(当然、学校でも教えない)。 恐怖を知らない、世代交代した世代が香港から北京を動かすか、それとも、権力維持のために最後は武力で徹底的に制圧されるのか?
日本のメディアは相変わらず表面的です。 以下は、香港と中国に多少かかわってきた私の感想です。
- 習近平主席は、最悪の混乱を避けるためには、共産党政権支配の継続が必須だと思っているのだろうが、専制政治というものは長期化しない。一党支配を支えるべき人心があちらこちらで離反している現状を見ると、権力で押さえるのは限界ではないだろうか?
- 香港は1989年の天安門事件とは違う。香港はビジネス最優先に考える土壌で、民主主義よりも「お金」が大事。民主運動を率先する大学生(高校生)と一般大衆(商業者)が一体化していない。
- ただし、香港という東西の「際」での騒動は、世界に筒抜けになった。 これは、北京にとって大打撃である。 したがって、今回の民主化運動の意味はあった。
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