昨日は東名が渋滞し、通常7時間で行けるところを11時間半もかかりました。 海老名SAの手前で停まってしまい2時間近く1ミリも動きませんでした。
車の中で、21年前の事件を思い出していました。
21年前の1993年2月26日、ニューヨークの世界貿易センタービル(WTC)の地下駐車場で爆弾が爆発する事件が起こりました。犯行はアルカーイダが関与したとされ、6名の犠牲者がでました。 爆発はランチタイムに起こったのですが、私はクライアントとのミーティングがあったために、事件当日の朝、このビルの地下街にいたのです。
当時、バブル景気が崩壊していたのですが、まだ余韻が残っていて、日系の銀行がこのツインタワーに20数行ありました。事件中、事件後、様々なドラマがあったのですが、事件前から日本企業のマネジメントスタイルに批判的だった私は、以下のようなことをセミナーで話をしたり、雑誌に投稿し批判を買っていました。
(前略)
目に見えない日常業務でのプレッシャーがこの爆破事件であらわになり、XXX銀行の日本人は冷静に業務再開のためのプランを実行する以前に半狂乱になってしまった。銀行幹部は大きな声をあげ、部下を怒鳴りつける。精神主義で現場をまとめようとしてもそれは意味をなさない。危機的状況をマネージするには、臨機応変にその場の状況に対応する現場の指導力が最重要である。しかし、ここでの指揮官たる対策本部長席では100人以上の人に対して、現状の把握や、方針、戦略を明らかにし、それぞれの役わり分担を徹底するといった試みはなく、ひたすら机の上の電話で日本からの指示を仰いでいた。行員の半数ほどは日本人ではない。彼等は所在なく、いつ帰れるとも分からず感情的なマネージメントに当惑している。
(中略)
日本人はトップに立つ人が協調性を唱え、組織に対する自己のない忠誠心を行動パターンの基準とするように要求する。しかし、アメリカ人はトップが非常時に協調性を要求することを理解できない。パニックにあって、日本人のトップがこのことを理解していない場合、悲劇は起こる。アメリカ人の行員たちはコンセンサスを求めているのではなく、支店長や幹部らの「INITIATIVE(イニシアチブ)」と「DETERMINATION(決断力)」を待っているのだ。いくら経験のない若いアメリカ人でも、東京との電話をよりどころとしている日本人幹部の姿は、全く理解に苦しみ、頼りない存在にうつったことだろう。彼等は、パニックにおいても状況を適確に把握し、取るべきアクション・プランをたて、優先順位をつけ、現有のリソースで最大限のリカバリーをはかるリーダーシップを会社幹部に期待している。みんなで話し合って、さらに現場の状況が見えない東京の指示を仰いでいる日本人幹部には大いに失望しただろう。
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